矯正 お悩み

歯ぐきが気になる「ガミースマイル」は歯科矯正と美容整形どちらで治療すればいいの?

22.08.29

笑った時に見える歯ぐきが気になる「ガミースマイル」でお悩みの方が増えています。このガミースマイルは歯科矯正で治すことができるのをご存じでしょうか。
ガミースマイルになってしまうのにはさまざまな要因があり、美容系の施術や審美歯科などでも治療を行っていますが、今回は歯科矯正で治せる症例や方法についてお話します。ガミースマイルの治療をどこで受けたら良いのか迷われている方はぜひ参考にされてください。

ガミースマイルとは?


「gummy smile」は、笑った時、歯ぐきが大きく出て目立つ口元の状態のことをいいます。唇から何ミリ出ているのがガミースマイルといった基準はありませんので、必ずしも治療が必要な症状ではないのですが、見た目が気になる方や、骨格や歯並びが悪いことも関係している事も多いので、歯科矯正で行う治療での改善も期待できます。
通常、笑顔になったときに見える歯ぐきは1~2ミリがバランスが良いのですが、それ以上見えると気にされる方が多いようです。見た目が気にならない場合には無理に治療を行う必要はありませんが、噛み合わせや歯並びの問題を伴っている場合には、治療することで見た目だけでなくお口の機能や全身の健康にも良い働きが期待できます。

ガミースマイルで起こる「デメリット」とは

・見た目
ガミースマイルは虫歯のように「治さなくてはいけない症状」というわけではありませんが、治療を希望される方のほとんどが「見た目」を気にされて治療を受けられています。

・口内が乾く
骨格の問題で起こっているガミースマイルの場合、口が閉じにくく歯ぐきが乾きやすくなります。

・虫歯や歯周病のリスクが増える
口内が乾くと唾液による自浄作用が働きにくくなるので細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが増えてしまいます。

なぜガミースマイルになるのか

ガミースマイルは骨格や歯並びが起因となっていることが多いです。前方に突出した骨格や歯並びによって上唇が持ち上がってしまうため目立ってしまうのです。骨格や歯並びが原因のガミースマイルは、多くの症例が歯科矯正で改善できます。また、中には唇や口周りの筋肉の発達部族が、ガミースマイルの原因となっている場合もあります。以下に、要因を1つずつ細かく解説します。

骨格や歯並びの問題

・上あごが前に大きく出ている
上あごの骨が下あごよりも前方に突出した成長をしている上顎前突(じょうがくぜんとつ)という不正歯列の場合、いわゆる「出っ歯」はガミースマイルになりやすいです。上あごの歯ぐきのアーチ部分の出っ張りが大きいことで口唇が押し上げられ閉じにくくなり、歯ぐきが露出して目立ちやすくなってしまいます。

・上の前歯の位置が低めに生えている
噛み合わせた際に下の歯列が見えないくらい深くかぶる過蓋咬合(かがいこうごう)という不正歯列の場合、上あごの歯の位置が低くなることから歯ぐきが目立ちやすくなってしまいます。

・上あごの骨が下方に成長してしまった
顔が面長の方や鼻の下にある人中(じんちゅう)が長い方は、上あごの骨の下方(縦)への成長が大きかったことが考えられます。必然的に歯ぐきの見える部分も大きくなるので目立ってしまいます。

・歯ぐきが歯に被りすぎている
歯が小さく短い場合や、歯ぐきが過剰発達して歯に被りすぎている場合、歯の本来出るくびれまで出ないため、歯ぐきの部分が目だって見えることがあります。

唇や筋肉の発達の問題

・口唇がめくれ過ぎてしまう
唇が生まれつき薄いなどの要因から唇がめくれ過ぎて、歯ぐきが目立っている可能性もあります。

・唇の筋肉の働きが強すぎる
お口周辺の筋肉の発達バランスが悪く、上唇を持ち上げるための筋肉である上唇挙上筋(じょうしんきょじょうきん)が強いと、過度に持ち上げられてしまい歯ぐきが見えてしまいます。

歯ぐきや歯の大きさの問題

・歯ぐきが歯に被りすぎている
歯が小さく短い場合や、歯ぐきが過剰発達して歯に被りすぎている場合、歯の本来出るくびれまで出ないため、歯ぐきの部分が目だって見えることがあります。

ガミースマイルの治療方法


ガミースマイルの治療法はいくつかありますが、原因に合った治療法を選ばないと改善を感じない場合があります。以下に主な治療法をご紹介します。

歯科矯正治療

矯正装置を用いて歯列矯正を行います。ガミースマイルの場合には出っ歯や口ゴボのことが多いので、歯列を全体的に後方へ下げ、噛み合わせも整えます。抜歯でスペースを確保する場合や、アンカースクリューを用いたインプラント矯正で後方へ引き上げる動きを活用する方法などがあります。

歯科矯正と外科手術

骨格的な問題が大きい場合、歯列を矯正するだけでは後方へ下げることができないため、外科矯正で顎の骨を少し切って後方へ下げる方法を行い、その上で歯列を矯正して突出部を治療します。

筋肉への注射

上唇挙上筋が強すぎて唇が上がっている場合は、筋肉の緊張を緩める注射を行う治療もあります。美容系の医院でも行っていますが、効果は半年ほどですので、継続して治療を受けることが必要です。併せてお口周辺の筋肉の機能訓練を行い、根本的改善も行うとよいでしょう。

上唇粘膜切除術

上唇と歯茎の間の粘膜を切除し、歯ぐきが見える部分を調整します。

歯肉切除(歯肉整形)

歯ぐきが歯に被っている部分が多い場合、その部分を切除し、歯を正しい位置まで露出させることで歯ぐきが目立ちにくくなることを期待した施術です。

まとめ

ガミースマイルは、歯並びが揃っていて何も支障がない場合や、チャームポイントと感じていらっしゃる場合などは無理に治療しなくても良いケースもあります。しかし、多くのケースが噛み合わせやお口周辺の機能に問題を併発していることが多いようです。特に骨格性のものは美容系の施術を受けても根本的改善がされないと効果が出なかったり、元に戻ってしまうこともあります。まずは適切な治療を検討するためや自身の症状の原因を確認する意味でも、矯正歯科へ相談されてみてはいかがでしょうか。

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