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インプラント治療に年齢制限ってあるの?
21.07.24
インプラント治療は顎の骨に穴を空けて土台を埋め込む外科手術が必要となるため、誰でも治療対象になるとは限りません。
また、一般的に18歳~20歳以降の大人が対象といわれていますがはっきりとした年齢制限もないのですが「適応年齢」はあります。
そこで一般的に、インプラント治療をおこなっても問題が無いとされている年齢について、理由や症例等ご紹介したいと思います。歯の欠損部分にインプラントをご検討中の方はぜひ参考にご覧ください。
インプラントに明確な年齢制限はない!
インプラントは永久歯を喪失してしまった部分を補う方法の中で、最も天然歯に近い見た目と機能を回復できるといわれており、お勧めの方法です。しかし、顎の骨に穴をあける外科手術が必要ということもあり「高齢者や子どもでもできるのか?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。年齢制限などはありませんが、推奨される年齢層はありますのでご紹介します。
推奨される年齢層は?
インプラント治療は、インプラント体を支えることができる丈夫な顎の骨でないと施術することができません。
ですから、お若い方でも、顎の骨の発達が終わっていない若年層や歯周病で顎の骨が溶けてしまった人は、年齢に関係なく治療ができないと診断されます。逆に高齢の方でも、顎の骨が健康で、インプラントを支えられる丈夫な厚みがあれば施術を受けることができると診断されます。年齢制限というよりも顎の発達状況が重要視される治療なのです。
何歳ごろからインプラント治療できる?
もしも開始時期の目安となる年齢を挙げるとするなら、18歳以下の若年層までは施術しないほうがよいといわれています。
なぜなら、生まれてから18歳ころまでは、顎の成長や永久歯との生え変わりが起こっているため、インプラントを埋め込むことで歯並びや顎の成長に影響を与えかねないからです。成長のスピードには個人差があるため、18歳に達していたとしても診査・診断によってはまだ治療できない場合もあります。
なぜ顎の成長中はインプラント治療できないのか
インプラント治療は顎の骨に穴を開けて、歯根の役割を担う「フィクスチャー」という人工歯根を埋め込みます。
顎の骨や周辺組織と結合させて安定性を保つため、天然歯のように顎の成長に伴って歯が動くこともありません。
成長過程中に手術をおこなうと歯並びに悪影響となってしまったり、人工歯根が安定しないことが予測されるため、顎の成長が完了する頃まではインプラント治療は行うことができません。
若年期に永久歯を失ってしまった場合はどうする?
虫歯の悪化や打撲等により早期に永久歯を失ってしまったとき、インプラントを入れたい場合は顎の成長完了までそのまま待つのでしょうか。それでは歯が抜けたままになって、両側の歯がスペースを埋めようと寄ってきたり倒れてしまったりします。また、失った歯の対象となる歯は噛み合う歯が無いので伸びてしまうこともあります。
そこで、インプラントできる時期になるまではブリッジや部分入れ歯などを入れ、一時的に抜けた部分のスペース確保を行う必要
があるでしょう。施術時期やそれまでのスペース確保の方法については、かかりつけ歯科医と十分にご相談ください。
高齢者のインプラントができる目安は?
若年層は成長過程であるためにインプラントを控えますが、大人は何歳でもインプラントできるのでしょうか。
年齢制限はありませんが、高齢者の場合目安の年齢はあります。インプラントは外科治療を行うため、顎の骨の状態だけでなく外科手術に耐えうる体力や健康状態も重要だからです。
高齢者のインプラント手術ができない場合目安は70歳
年齢制限の上限としてよくいわれるのが「70歳」です。必ずという訳ではありませんが、目安として高齢者はインプラント手術ができない状況になることが多い傾向にあるためです。
インプラント治療では、土台としてフィクスチャーを顎骨内に埋め込むのですが、そのための穴を顎の骨に空ける手術を行います。歯周病などのトラブルだけでなく、年齢を重ねることでも顎骨は薄くなったり歯周組織が弱くなったりします。
また、健康状態や治癒能力も若者に比べれば低下してしまうため、インプラント治療で何らかのトラブルを生じやすいと予測されてインプラント治療を避ける目安の年齢となっているようです。
なぜ70歳以上は治療ができないと診断されやすいのか
70歳以上の高齢者であっても、精密検査で特に顎の骨や周辺組織に問題の無い健康状態であることと、健康状態が良好であればインプラント治療を受けられることもあります。
しかしやはり高齢になればなるほどインプラント治療ができない方が多いのが実情です。高齢者がインプラント治療ができなと診断されるケースは、外科手術に耐えることができない健康状態や持病(糖尿病、心臓病、高血圧など)がある場合。また、歯周病が進行して顎の骨が溶けて薄くなっている場合や、歯周病の症状である出血が多い場合は治療できないいわれることもあります。
インプラント治療できない事例
年齢以外にも、インプラント治療をおこなうことができない条件がありますので、いくつかご紹介します。
重度の歯周病の場合はすぐにできません
重度の歯周病で顎骨が大幅に吸収されている場合や出血が多い場合は、インプラント体(フィクスチャー)が埋入できないので、すぐにインプラント治療を行うことができません。
まずは歯周病の改善からスタートし、症状が落ち着き、顎の骨を増骨・骨移植などを行って治療できる状態を整えてからの施術になります。
持病がある場合は慎重に
インプラントを埋め込むため、歯茎を切開して骨に一部穴を空ける外科手術をおこないますが、出血が止まりにくい状況の方や持病があり手術に耐えれないと判断された方は治療できません。
持病進行度にもよるため、まずはかかりつけ歯科医に相談しましょう。
骨粗しょう症や骨密度の低下が起こっている場合
インプランとの土台となるフィクスチャーが骨と結合するためには、顎の骨の厚みや骨密度が十分必要です。骨が薄くなってしまっている場合や骨密度が低い状況であれば外科手術を行うことはできません。
喫煙が辞められない人
喫煙はインプラント体が顎骨と結合する作用を阻害するため、早期に治療を始めるためにも、ぜひ手術前から禁煙されることをおすすめします。
慢性的な持病がある場合
糖尿病でなど抵抗力や免疫力の低下で歯周病になりやすくなっています。特に糖尿病は合併症も多く、インプラントと顎骨が結合する際に起こる骨吸収が過剰に起こったり、歯周組織との結合が難しくなり土台が安定しにくくなってしまいますので治療できないと診断されることがあります。
まとめ
インプラント治療に関して決まった年齢制限などはありません。ですが、さまざまな理由や背景によって推奨される年齢はあります。それらを参考に、個々のお口の状況に合わせて、治療が適正な時期かどうかを判断します。また、年齢制限だけでなく、治療NGとなってしまう症例もありますので、インプラント矯正ができるか不安な方は、まず歯科医師に相談してみてください。