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治療前に知っておきたい! 矯正治療中の矯正装置の洗浄方法と注意点

22.05.05

矯正治療をこれから始めようと思われている方の中には
「矯正装置が付いているのにどうやって歯磨きするの?」
「矯正装置の洗浄方法は簡単?」といったように、治療開始後のセルフメンテナンスに不安を抱く方もいると思います。
そこで、一般的に行われているブラケット矯正(ワイヤー矯正)とマウスピース矯正の矯正装置の清掃・洗浄方法をご紹介します。矯正治療を検討中の方はぜひ参考にご覧ください

矯正装置の清掃・洗浄は難しいの?

矯正装置の清掃方法は装置の種類ごとに異なります。大きな違いはブラケットのように取り外せない装置なのか、マウスピースのように取り外し可能かどうかです。歯の表面に付けたままになるブラケットとそれらをつなぐワイヤーは、月に一度の調整時のみワイヤーを外します。ブラケットは動的な治療が終わるまで付けたままです。ですので、日常的な歯磨きの時には、装置が付いたままの状態で磨くことになります。マウスピース矯正は取り外しが容易にできるため歯磨きは外して行い、装置は単体で洗浄します。清掃方法だけで考えると、マウスピース矯正の方が簡単と感じる方の方が多いようです。

歯科衛生士がしっかりサポートします!

とはいえ、ブラケット矯正の方も心配いりません。装置装着初日には、ブラケットやワイヤーがあってもしっかり磨けるよう歯磨き指導を行います。また、毎月動的調整を行うための来院日に、歯科医師・歯科衛生士が口腔状態をチェックしています。歯が動くことで毎月お口の状態が変わりますので、歯ブラシの当て方や磨きにくい部分の磨き方のポイントを定期的に教えてもらうことができます

矯正装置別 歯磨きと洗浄方法


では次に、矯正装置別の具体的な洗浄方法をご紹介します。
矯正治療はさまざまな方法がありますが、主となる動かし方としては、ブラケットトワイヤーを用いたラビアル矯正と、マウスピース矯正ですので、この2つについて解説します。

ラビアル矯正(ワイヤー矯正

この方法は、歯1本1本の表面に「ブラケット」という小さな装置を取り付け、それらをワイヤーで連結し、ワイヤーの牽引力で歯を動かしていく方法です。矯正治療装置で最もスタンダードな方法で、さまざまな歯並びに対応できる方法とされています。
ただし歯磨きの際には、凹凸のあるブラケットや連結されたワイヤーがあるため歯に汚れが残りやすくなり、矯正治療中は歯周病になりやすくなるため、治療前よりも細かな歯磨きが必要になります。

<歯磨きのポイント>
・ヘッドが小さめの歯ブラシを使いましょう
・ブラケットの周囲は矯正用の屋根型歯ブラシやU字型歯ブラシがおすすめです
・ブラケットと歯面の境目やワイヤーの下などを狙って毛先の角度を変えましょう
・届きにくい部分にはワンタフトブラシ(先が細いブラシ)を歯ブラシと併用しましょう

<注意点>
・装置に歯ブラシが当たって歯面に毛先が届きにくくなるため、ワイヤーの下は入念に磨きましょう
・繊維質のものや細長い食材はワイヤーに絡みやすいので注意が必要です
・裏側矯正や上顎が裏側、下顎が表側のハーフリンガル矯正は磨き方に工夫が必要です

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、薄く透明な素材でできたマウスピース型の装置で歯を動かしていく方法です。ブラケットやワイヤーを使わないので目立ちにくく、治療中だと気づかれにくいメリットがあります。また、自身で取り外し可能で食事や歯磨きの際は外して行います。そのため治療前と変わらず歯磨きすることができますし、食材が装置に引っかかることを気にして食べる煩わしさがありません。

<歯磨きのポイント>
・マウスピースを外し手行うので、治療前と特に変わることなく磨けます
・歯がだんだん動いてくるので、重なりや隙間部分に注意して毛先を当てましょう
・歯と歯の間はデンタルフロスを併用しましょう

<注意点>
・食後は必ず歯磨きしてからマウスピースを装着しましょう
・飲食時には外しましょう。特に着色しやすい飲食はマウスピースに色素沈着するので注意
・歯磨きの後、マウスピース本体も洗浄が必要です

歯科医院の定期的なクリーニングが重要ポイント


矯正していない状態でも、歯磨きで落とせる汚れは全体の約6割程度だと言われています。ですから、矯正治療で装置を付けている期間は、治療前よりも汚れが残りやすくなるため、磨き残しや歯石沈着しやすくなります。ですから、ブラケットやワイヤーを用いるラビアル矯正を行う場合は、歯周病のリスクが上がります。また、歯磨きしやすいとされるマウスピース矯正であっても、歯が汚れたままマウスピースで全体を覆っていれば、虫歯や歯周病の原因菌が活動しやすい環境になってしまいます。ホームケアでは汚れを落とせる限界がありますので、定期的に歯科衛生士によるクリーニングを受け、蓄積してしまった汚れ(歯石)や、磨き残しで出来たプラーク(歯垢)を落としてもらいましょう。矯正治療期間は歯並びもどんどん変わるので、状況に合わせた歯磨き法が必要になります。自己流では「磨き癖ぐせ」が起こることもあるので、定期的にチェックも大切です

ワイヤー調整のタイミングで細かいところをクリーニング

ラビアル矯正の場合は、1カ月に1度ワイヤーを外して歯を動かすための調整を行います。そのタイミングで、普段ワイヤーで磨きにくい部分に沈着してしまった汚れなどを清掃できます。矯正の調整だけでなく、月に一度口腔環境のメインテナンスもできるので、口腔内を清潔に保つことができます。また、虫歯や歯周病のチェックもできるので安心です

まとめ


矯正治療中は、確かに治療していない時よりも歯磨きはしづらくなります。特にブラケットとワイヤーを用いる矯正装置は磨きにくいので、特殊な歯ブラシやデンタルフロスの活用、磨き方の工夫等が必要です。とはいえ、歯科医院で指導を受けたり定期的にチェックや清掃を行っていれば、虫歯や歯周病は予防できます。マウスピース矯正は取り外し可能なので清掃はしやすいですが、それゆえにおろそかになってしまう場合もあるので注意しましょう

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