矯正 お悩み

無意識にやってしまう歯ぎしりや食いしばりは矯正治療で治る?

22.05.05

矯正治療と言えば「歯並びを綺麗にする」というイメージの方がほとんどだと思いますが、他にも「歯ぎしりや食いしばりの症状が改善する」といった効果を感じる方もいます。ということは、歯ぎしりや食いしばりの原因は歯並びの悪さから起こっている可能性もあるということなのでしょうか。
今回は歯ぎしりや食いしばりの改善方法として矯正治療が有効であるかということや、矯正治療中に歯ぎしりや食いしばりを行っていても矯正治療できるのかについて解説します。もしも歯ぎしりや食いしばりの症状を改善するために矯正治療をお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にお読みいただければと思います。

矯正治療で歯ぎしりや食いしばりは治るの?


結論から申し上げると、矯正治療で歯ぎしりや食いしばりは「確実に治る」とは言えません。ですが、症状が改善したと感じる方もいらっしゃるのも事実です。
なぜ、矯正治療をすると歯ぎしりや食いしばりが治ると言われているかというと、歯ぎしりや食いしばりの原因の一つが「噛み合わせのズレ」にある可能性があるためです。矯正治療は単に歯の「並び」だけを整えるのではなく「正しい噛み合わせで噛める」ということも重要視されます。矯正治療を受け、噛み合わせが正しい位置に整うことで、歯や顎、お口周辺の筋肉にバランスの良い咬合圧がかかり、歯ぎしりや食いしばりをしにくくなると考えられます。

歯ぎしりや食いしばりをするとどんなことが起こるの?


「歯ぎしりや食いしばりを行っている」という方は、無意識や就寝中など、ご自身で気づかないうちに行っています。ですから家族や身近な人からの指摘で気づく方がほとんどです。そしてさまざまな症状や不具合から「もしかしたら歯ぎしりや食いしばりから来ているのかも?」と思う方もいるのではないでしょうか。

歯ぎしりや食いしばりが原因で起こる不具合

歯ぎしりや食いしばりは、当たる歯に過度な負担がかかります。その影響からさまざまな不具合を起こすことがあります。
・歯がダメージを受けやすい
強く当たる歯はすり減りなどのダメージを受けやすく、虫歯でもないのに痛みを感じたり、神経が壊死してしまうこともあります。神経が壊死していることに気づかず放置していると、最悪の場合抜歯せざるを得ない状況になってしまう可能性もあるのです。

・筋肉の緊張
歯ぎしりや食いしばりは強い圧力がかかります。そのため、歯だけではなく周辺の筋肉にも負担がかかり、筋肉が発達してエラが張って見えたり、歪みが生じて左右差が起こることがあります。

・肩こりや頭痛の原因になることも
筋肉の緊張や圧力が顎関節にもかかることで、神経や筋肉が繋がっていることから、頭痛や肩こりを引き起こす可能性もあります。なかなか治らない頭痛や肩こりがある場合は、歯ぎしりや食いしばりを治すことで症状が軽くなったという例もあります

歯ぎしりや食いしばりの原因は?

歯ぎしりや食いしばりの原因は今だ明確にはなっていませんが、原因と考えられる要素の一つとして「噛み合わせの悪さ」が関係していると考えられています。また、他にもいくつか原因として考えられるものも含め、以下のような要因が挙げられます。

歯並びの悪さ

冒頭でもお話したように、歯並びが悪いと「噛み合わせ」にズレが生じて歯ぎしりや食いしばりが起こりやすくなると考えられています。歯は上下左右で対象となる歯があり、それらが咬み合うべき部分も決まっています。ズレが起こると部分的に強く接触している部分が生じたり、詰め物や被せ物がぶつかってしまうことで歯ぎしりが起こりやすくなってしまいます。

ストレス

ストレスが溜まると、疲れや不安な気持ちを解消するために歯ぎしりや食いしばりをするのではないかと考えられています。お子さんの場合は進学・進級や引っ越しなどの環境の変化、大人は仕事や疲労など、さまざまなタイミングで起こりやすくなることもあります

喫煙や飲酒

こちらも明確な因果関係は明らかになっていませんが、飲酒や喫煙によって歯ぎしりが起こりやすいと言われています。もし心当たりのある方は、お酒やタバコを控えてみて効果があるかどうか試してみてはいかがでしょうか。

噛み合わせも重要視した歯列矯正を!

昨今「審美歯科」や「美容歯科」というようなジャンルの歯科治療を目にすることも増えてきました。
ひと昔前は矯正治療といえば「子ども」の生え変わりで起こった不正歯列を整えることが多かったのですが、最近では成人の方が治療を希望されることも増えています。成人の歯列矯正の理由として一番多いのが「見た目の改善」です。ですから、気になる部分だけを治療されたり「並びだけが整えばよい」というご希望も多いようです。しかしそれでは「噛み合わせ」はズレたままになる可能性も多く、実際に審美性を重視した治療をされた方で、以前よりも奥歯が噛み合わなくなって食事しづらくなったという状況になった方もいらっしゃいます。ですので、矯正治療は見た目はもちろんですが、正しい噛み合わせも重視した治療を受けていただきたいと思います。その上で歯ぎしりや食いしばりの症状もおありの場合には、症状が緩和されることも期待したいですね

まとめ

歯ぎしりや食いしばりは、慢性的に行っていると歯や顎に過度の負担をかけてしまいます。そこからさまざまな不調を起こしたりすることもあるでしょう。また「キリキリ」と不快な音が出ることで
家族や周辺の人から指摘されて恥ずかしいと感じている方もいるでしょう。主な改善方法として「矯正治療」をお考えの方もいるかもしれませんが、矯正治療で確実に治るとは言えません。ですが、少なくとも「噛み合わせ」は関係していますので、まずは歯科医院に相談してみましょう。そして矯正治療だけでなく、生活を見直したりストレス解消をしたりとライフスタイルも見直してみてください。もしも改善策のひとつとして矯正治療を受ける場合には、噛み合わせも重視して治療を行っている歯科医院で治療されることをお勧めします。

                                   記事一覧へ戻る