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親知らず抜歯後に腫れない方法

24.02.29

親知らずの抜歯といえば「大きく腫れる」というイメージはありませんか?抜歯をすると歯ぐきが腫れやすくなるため、人前に出るお仕事をされている方など、気になって治療に踏み出せないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、親知らずの抜歯後、できるだけ腫れずに済む方法についてお話ししたいと思います。ただし、抜歯後の「腫れ」は、組織が修復される際に起こりえる現象であり、個人差もありますので、参考までにお読みください。

親知らずの抜歯後はなぜ腫れやすいのか


親知らずに限らず、抜歯後頬が腫れることはありますが、親知らずは特に腫れやすいイメージがあるのではないでしょうか。親知らずは抜歯するとなぜ「腫れやすい」のか、その要因を解説します。

親知らずは抜歯しにくいから

親知らずは歯茎の中に隠れて出てこない場合や、横を向いて埋もれている場合があります。また、生えてきても少ししか頭を出さないなど、他の歯と並んで正しい方向に生えることが少ない傾向があります。
歯列矯正に影響を及ぼすことが予測される場合は事前に抜歯を行うことがありますが、抜歯の際に歯の周囲の顎の骨を一部削ったり、歯を内部で分割してから取り出すなど、一般的な抜歯よりも難しい処置になることもあります。そのため傷口が広くなれば、それだけ歯ぐきが腫れる可能性は高くなります。

虫歯がある場合が多いから

親知らずが普通の歯と同じように生えている場合でも、一番奥に生えている歯であることから、虫歯になっていることも多く、すでに虫歯が大きく歯がボロボロになっている場合は、歯の周囲の顎の骨を修正してから歯を取り出さなくてはいけなくなるため、腫れやすくなることもあります。

傷口に汚れが溜まりやすいから

そもそも親知らずのある場所は、一番奥の部位で見えにくいところであるため、抜歯後の傷口に食べかすや汚れも溜まりやすくなりがちです。そのため傷の治りを妨げてしまい、腫れが長引くことにつながることもあります。

親知らず抜歯後の腫れを防ぐ方法


それでは、腫れを防ぐための事前対策をご紹介します。親知らず抜歯後になぜ腫れてしまうのかを知り、腫れをできるだけ予防する対策を行っておくことが大切です。

腫れを防ぐための事前対策

親知らず抜歯後の腫れは「起こりえるもの」ではありますが、事前に対策をしておくことで抜歯後も安心ですよね。少しでも腫れが引くのを早めたり、腫れが強くならないようにするには
・薬を服用する
・患部を冷やす

といった対策があります。

傷口から細菌感染を起こしてしまうと、腫れがひどくなる可能性もあることから、抜歯後には抗生物質が処方されます。また、頬側から濡れたタオルを使って冷やすのもおすすめです。

※薬の服用について
親知らずの抜歯後は痛み止めと抗生物質が処方されることがほとんどです。これは、麻酔が切れてくると痛みが起こることが予測されることと、口腔内で細菌感染を起こすことを予防するためです。感染すれば腫れ、腫れが長引けばそれだけ痛みも続くので、処方された薬は歯科医師の指示のもと、必ず用法用量を守って飲みましょう。

抜歯後の腫れを軽減する具体的な方法


次に、抜歯後の腫れを軽減する具体的な方法について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

アイシングの効果的な使い方

アイシングは濡れたタオル等で、頬の上から行いましょう。患部を直接ではなく間接的に冷やすのがポイントです。氷を口に含んだり、保冷剤などで冷やすのは、傷口への刺激が強すぎて痛みを増長させてしまうことがあるので、冷やしすぎにならないように注意が必要です。

適切な薬や食事の摂り方

親知らずの抜歯後は、必ず薬が処方されます。口腔内は細菌が多いため、傷口の感染から腫れがひどくなる可能性もあります。そのためには抗生物質が必要です。痛みや腫れが無くなったとしても、最後の1粒まで飲み切ってください。
また、食事は、できるだけ傷口に刺激を与えないもので、且つ栄養が摂れるものを意識してください。固いもの、辛いものは避けましょう。

自宅でできる腫れ対策のテクニック

①口腔内を清潔に保ちましょう

傷口が細菌感染を起こすと腫れが起こる要因になるため、術後は口腔内を清潔に保つことを心がけましょう。適切な歯磨きを行う「歯周炎予防の口腔ケア」が効果的です。

②正しいブラッシングを行いましょう

食物残渣が傷口に残ったままになるのも、歯ぐきに刺激を与えてしまい、傷口の治りを遅らせてしまう可能性があります。傷口に歯ブラシが当たるのが心配かもしれませんが、通常通り食後の歯磨きは行なってください。傷口の部分はゴシゴシと強くこすらないようにしましょう。

③口腔洗浄液などを活用しましょう

傷口を磨くことが心配な時は、口腔洗浄液を含んで、こまめにうがいをするのもおすすめです。うがいで食物残渣の詰まりを予防することもできますし、洗浄液に含まれる成分で口腔内環境も清潔に保たれます。

④快適な就寝環境を整えましょう

傷口の回復には「十分な睡眠」もとても大切です。抜歯後しばらくは夜更かしは避け、快適に睡眠が取れる環境を整えることをおすすめします。

まとめ


抜歯後は歯科医師から、自宅での過ごし方や注意があります。これまでお伝えしたことを参考にしていただき、適切な対処を行っていれば、大きなトラブルを起こすことはまずないでしょう。そして、順調に行けば、術後の腫れは約1週間〜10日までには徐々に引いてくることがほとんどです。
ですが、なかなか腫れが引かず継続する場合や、ズキズキ痛むなどご心配な場合には、ホームケアでは対処が難しい状況になっている可能性もあります。お困りの際には、医療機関へ早めに相談することをお勧めします。

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