矯正 お悩み

ワイヤー矯正とマウスピース矯正どっちがいい?

23.12.31

歯科矯正治療をしたいと考える時、ワイヤー矯正とマウスピース矯正、どちらを選ぶべきなのか迷う方も多いと思います。これら2つの治療方法にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、特徴や費用なども考慮して選択していくことが必要になります。
そこで今回は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いをご紹介します。自身にとってどちらが最適な方法であるか検討する際の参考になれば幸いです。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の特徴


まずは、ワイヤー矯正とマウスピース矯正それぞれの特徴をご紹介します。どちらを選ぶか判断するためには、それぞれの特徴、メリット・デメリットなどを十分理解することが大切になります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は「ブラケット」という小さな装置を歯面1本1本に装着し、それらをワイヤーで連結します。このワイヤーを調整することで、 歯に引っ張る力を加え、動かしたい方向へ少しずつ誘導する方法です。

<メリット>
・さまざまな症例に対応できる
マウスピース矯正では難しいとされる重度な症例でもワイヤー矯正では治療が可能です。
・取り外しをしなくて良い
ワイヤー矯正は歯面に装置がついたままです。マウスピース矯正のように取り外しての自己管理は必要ないので、紛失や治療が計画通りに進まないといったトラブルは回避できます。装置の管理が苦手な方はワイヤー矯正がお勧めです。

・細かい調整が可能
ワイヤー矯正はマウスピース矯正に比べて色々な方向に歯を動かすことができます。歯並びだけでなく、上下噛み合わせが逆になっている場合や骨格が関係する出っ歯など、難しい症例にはワイヤー矯正の方が有利に活用できる場合があります。また、マウスピース矯正治療中に計画通りに動かない場合なども、併用して微調整に活用することもできます。

・費用を抑えることができる
金属の表側ワイヤー矯正が一番スタンダードな治療で、それ以外になるとオプションとして費用が上がることがあるため、費用を抑えたい場合には金属の表側ワイヤーがお勧めです。
また、金属の表側ワイヤーであれば基本的にマウスピース矯正よりも費用が低めです。

<デメリット>

・装置が目立つことがある
表側ワイヤーで、装置が金属の場合は装置が目立ちます。歯と同じ白いもの、もしくは透明なブラケットやホワイトワイヤーを使用すれば目立ちにくくなりますが、マウスピース矯正よりは、治療をしていることは分かりやすくなります。
・歯磨きしにくい
取り外せないため、そのままの状態で歯磨きを行います。装置の凹凸部やワイヤーに食べ物が詰まったり、歯垢が溜まりやすくなり、歯磨きがしにくいと感じる方が多いようです。
虫歯や歯周病のリスクがあるので、ホームケアが重要になります。

・治療中の歯が動く痛み
マウスピース矯正と比べると痛みを感じやすい方が多いようです。装置を付けたばかりの頃や、装置の調整を行って2、3日がピークで、その後は徐々に軽減し、1週間くらいで痛みは感じなくなります。

・口腔内を傷つけやすい
装置に凹凸があるので、唇や頬の裏側の粘膜を傷つけやすく、口内炎ができてしまうこともあります。
・金属アレルギーの場合は治療できないことがある
装置に使用される金属の成分にアレルギーがある場合は、ワイヤー矯正はお受けいただけない場合があります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、薄く透明な歯科用プラスチックで作製するマウスピースを使用して歯列矯正を行う治療方法です。治療開始から終了までの歯の動きを事前にシミュレーションし、段階的に動かしたい部分に力が加わるようにプログラムされたアライナーを定期的に交換することで歯を動かす治療法です。

<メリット>
・目立ちにくい
マウスピース矯正最大のメリットが「目立たず治療できる」ということだと思います。気づかれずに治療したい方や、人前に出る機会の多い方にお勧めの方法です。

・取り外しができる
マウスピースの取り外しができるので、食事や歯磨きは治療前と変わらず行うことができます。

・違和感が少ない
自身の歯並びにピッタリフィットするように作製されているので、ワイヤー矯正のようにワイヤーが当たる違和感や突出感を感じることがありません。

・口腔内を清潔に保ちやすい
マウスピースを外して歯磨きできることで、ワイヤー矯正のように食べ物が詰まりやすかったり、歯垢が残りやすいといったことを回避することで、矯正治療期間も口腔内を清潔に保ちやすくなります。

・金属アレルギーでも治療を受けられる
マウスピース矯正は金属を一切使用していないため、金属アレルギーがご心配な方も安心して治療を受けていただくことができます。

治療後の歯並びがイメージしやすい
専用の3Dソフトによって、治療開始前から治療完了までの歯の移動経過をコンピューター上でシミュレーションできるため、どのようにして歯が動くかイメージしやすく、長い治療期間のモチベーション維持にも役立ちます。

<デメリット>

適応できない症例がある
大きく歯を動かすことや、複雑な動きは苦手な治療法のため、重度の症例では適応外と診断されることがあります。

1日22時間以上の装着が必要
食事と歯磨きの時以外はほぼ付けたままです。外している時間が長いと、計画通りに歯が動かないこともあります。

歯を削ることがある
抜歯せずに行うことも多いマウスピース矯正ですが、スペース不足の場合には、歯の両側を少しずつ削って、並ぶために必要なスペースを確保することがあります。

自己管理が必要になる
装置をしたまま食事をすると変形・変色を起こすことがあります。また、装置を紛失してしまうと、計画通りに歯が動かなかったり、後戻りしてしまったりすることもあるため、十分な自己管理が必要になります。

どちらの装置を選ぶかの「決定要素」は?


ワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらを選ぶかは、これまでご紹介したメリット・デメリットを参考に考えてみましょう。
その上で選択のポイントは以下の5つです。

・自分の歯並びの状況に合う装置
・外見への影響は気になるかどうか
・自己管理できるかどうか
・費用は希望に近いか
・通院頻度は生活スタイルと合っているか

個々のニーズや生活環境に合う方を選ぶことをお勧めします。
分からない、迷う、という方は、ぜひ気になる歯科医院の矯正相談や初回のカウンセリングを受けてみてくださいね。

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