審美 お悩み

口臭が治らない?! 原因は古い銀歯かもしれません

23.12.03

銀歯の入った歯の間をフロスしたときや、誤って銀歯が取れてしまったときに、鼻をつく嫌なニオイがしたという経験はありませんか?どんなに口内環境を整えても古い修復物が要因となって、口臭が改善されない場合があります。
今回はなぜ修復物が古くなってくると臭いの原因となるのか、またその対策などをご紹介します。
長年入れたままの銀歯があり、口臭にも悩まれている方はぜひ参考にお読みください。

古い修復物が招く「口臭」の原因


保険適応で作成する修復物の「銀歯」は素材が限定されています。丈夫で長持ちしますが、自費で作製できる被せ物に比べると経年劣化を起こしやすい性質があります。これらが「口臭」とどのような関係があるのか、以下より詳しくご紹介します。

銀歯と歯根の境目に汚れが付きやすい

歯と修復物はどんなにピッタリに作っていたとしても、ミクロ単位で考えると若干のすき間が生じてしまいます。細菌はとても小さいため、この歯と修復物の歪に溜まり繁殖します。保険診療で作成する銀歯と歯との接着点は自費の素材で作成する修復物(ジルコニアなど)に比べると歪ができやすく、細菌の宿巣となる「歯垢」が残りやすい傾向があります。

修復物表面に傷ができやすくなる

インレーや銀歯といった銀製の修復物は、保険診療の範囲で用いられることが決められた素材で作製されており、経年とともに肉眼で確認できない細かな傷が付きやくなります。古くなればなるほど表面に無数の傷が増え、この傷に虫歯や歯周病の原因菌が付着しやすくなります。日常的なブラッシングだけでは落とすことが難しくなると細菌も繁殖しやすくなってしまい、その細菌が発生する毒素の臭いが「口臭」となってしまいます。

経年に伴う素材の変質

保険適応の修復物に使われる銀は、経年とともに唾液や酸の影響を受けて変質したり錆が起こったりすることもあります。それが銀歯に凹凸を作り、細菌の繁殖や歯垢の蓄積を助長してしまいます。
また、イオンの流出から、境目となっている歯茎が変色したり炎症を起こす要因になることもあります。

修復物の接着剤の溶解

修復物は歯と接着するためにセメント(接着剤)を使用します。銀の修復物は歯質やセメントよりも固いため、日々の咬合圧で修復物の内側のセメントを徐々に劣化させてしまいます。また長年の唾液による作用で溶解してしまうこともあります。これらが原因となって、復物と残った歯質に隙間ができ細菌が侵入したり細菌の温床になることが考えられます。セメントの溶解自体も臭いの原因になりますし、内側から虫歯になれば虫歯も臭いの原因になります。

もしも「銀歯が原因かな??」と思ったら?


それでは「銀歯が原因かな?」と思った時の対策はどのようにしたらよいかをご紹介します。
あくまでも一般的な対策ですので、参考にしていただきながら、気になる方は歯科医院へご相談ください。

歯ブラシ以外の清掃補助具をプラスしてみる

歯と歯の間や歯と歯茎の境目など、歯ブラシの毛先が届きにくい銀歯と天然歯の境目に汚れが残らないよう、日常的な歯磨きの中に、デンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシ等をプラスする時間を加えてみてください。1日1回、寝る前の歯磨き時間の時だけでも構いません。
装置周辺をできるだけ清潔に保ちましょう。

マウスウォッシュなどの活用

殺菌作用がある市販のマウスウォッシュ製品などを活用してみましょう。口内の洗浄をおこなうことで、常在菌の増殖や活動を抑制する手助けになります。ただし、歯ブラシや清掃補助具でないと歯垢は落ちませんので、歯磨きの後行ってください。

外れなくても装置の入れ替えをする

古くなった修復物は、傷や歪によって汚れや細菌の温床になりやすくなります。外れていなくても、新しいものに入れ替えをすることで口臭改善が期待できるかもしれません。
先述したように、自費の修復物は保険の修復物よりも精密に作成することができ、傷つきにくい素材で出来ていますので、入れ替えのタイミングでご検討されるのも良いかもしれません。

当院の自費で行う修復治療について


当院では虫歯治療の修復方法として、保険適応の治療に加え、自費診療として「審美歯科」も行っています。美しい口元は生き生きとした笑顔を作り出し、毎日の生活を快活なものへと導きだしてくれます。審美歯科は口元のコンプレックスを解消することはもちろんですが、精巧な修復物を作ることができるため、口臭や2次的な虫歯、歯周病などの予防にも繋がります。

以下に、当院で行っている自費治療による修復方法をご紹介します。もしも銀歯の入れ替えとしてご検討される方は、参考にされてください。

使用しているセラミックは、デンツプライシロナ社で開発された「セルコンジルコニアセラミッククラウン」という酸化ジルコニアを使った被せ物です。
ジルコニアは「人工ダイヤモンド」と言われる程強度があり、固いものを噛んでも装置が破損することはほとんどありません。また、ジルコニア単体は単調で人工的な白さですが、セラミックと合わせることで自然な白さと美しさが加わり、審美性も高くなります。

当院の審美歯科治療で行っている修復物のご紹介

・オールセラミッククラウン
全体をセラミックで作製する修復物です。歯科治療で使われるセラミックは白く滑らかで、装着した際周りの歯と自然に馴染みます。また耐久性にも優れ、長期間使用しても保険治療の白い素材(レジン)のように変色することはありません。
金属を使用していないため生体親和性に優れており、金属アレルギーなどもまず心配ありません。

・セラモメタルクラウン
表面はセラミックで仕上げ、裏打ちに金属をを焼き付けた被せ物です。メタルボンドとも呼ばれているセラモメタルクラウンは強度と審美性に優れており、小臼歯などでよく使用します。

・セラミックインレー
虫歯治療で歯冠に全体に被せる修復までは必要でない場合、保険治療では「インレー」という金属の詰め物をします。しかし銀製のため非常に目立ってしまいます。金属のインレーを白いセラミックに変えることで、継ぎ目も分かりにくく滑らかな仕上がりになります。また、歯との密着性が良く虫歯菌が入り込みにくいため、二次カリエスのリスクが低いこともメリットです。

まとめ


ここ数年マスク生活が続いていましたが、だんだんマスクを外す機会が増え、口臭を気にする方が増えた印象です。口臭の原因はいくつかありますが、今回は修復物が原因の場合について解説しました
。古い修復物はどんなに歯磨きを頑張っても、汚れが付きやすい要因になってしまっているかのうせいがあります。自費の装置は高額に感じるかもしれませんが、口臭や2次的な虫歯、歯周病の予防の観点から考えても、長い目で見れば治療の回数を減らすことにつながることも考えられます。
自費治療の場合は医院によって取り扱う素材や方法が異なりますので、事前にどのような方法があるのか確認しましょう。気になる方はお気軽にご相談ください。

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