インプラント 基礎知識

天然歯のような機能回復ができる「インプラント」を深堀り!

23.10.29

インプラントは歯を失ってしまった部分の修復方法のひとつです。最近ではテレビCMやSNS等でも良く見聞きするようになりましたが「どんな治療なのか」ということを知らない方もいるのではないでしょうか。
生涯美味しく食事ができることは健康的な生活を送るために必要不可欠です。これから修復方法を検討する方にはぜひ参考にお読みいただきたいと思います。

インプラント治療とは


いくつかある損失部分の修復方法の中で、天然歯の機能や見た目に最も近いとされている修復方法です。失った歯の修復といえば、入れ歯やブリッジを主に検討される事が多いです。これらは保険適応で治療することができ、一般的にどの歯科医院でも修復方法として導入しています。
インプラントは保険適応外の治療で、導入している医院は限られています。
顎の骨に穴を開け人工歯根を埋入して土台にしますので、安定性・機能性に優れています。また、他の健康な歯に負担をかけることなく、天然歯のように美しく、噛む能力も天然歯と変わらない見た目も回復することができます。

・インプラントの構造
インプラントは、以下のように3つの構造に分かれます。

①インプラント体(フィクスチャー)
 顎の骨に埋め込み、人工歯を支える歯根の役割をする部分
②アバットメント(連結部)
 インプラント体と人工歯を連結するための装置
③上部構造(人工歯)
 歯の役割を担う人工歯

天然歯に近い装置といわれる理由


インプラントは修復装置の中で、最も天然歯に近い装置だといわれています。その理由をご紹介します。

噛み心地の良さ

インプラントが他の修復装置と決定的に違うのが「歯根の回復」です。入れ歯やブリッジは、歯茎よりも上の部分で修復物を作製するため、噛み心地としては「しっかり噛めない」と感じる人も多いようですが、インプラントは歯根の代わりをインプラント体が再現。固いものもしっかり噛めるので、天然歯の時と同じように噛むことができます。

審美性が高い

インプラントは然歯に近い見た目できれいな仕上がりが期待できます。これは、複数歯の処置が必要なく、単体で修復することができるからです。人工歯には保険の治療では使用しない「セラミック」を使用します。入れ歯は他の歯にかけるための金属バネが目立ちますし、歯茎と接する部分の「床」がめだってしまいます。ブリッジは隣の健康な歯も削ることになりますし、歯と歯ぐきの部分に人工物の継ぎ目が目立つなどの違和感が出てしまいます。しかしインプラントは両側の歯を削ることや装置を引っ掛けることもありませんし、歯と歯ぐきの境目の違和感もなく綺麗に仕上げることができます。

アレルギーの心配が少ない

顎の骨にフィクスチャーというインプラント体を土台となるように埋め込みますが、このインプラント体には「チタン」という金属が使われています。チタンは強靭に結合するのはもちろん、骨との相性が良く親和性の良い素材です。ですから、金属アレルギーが心配な方も安心して治療を受けることができます。
※インプラントメーカーによっては、混合チタンのばあいもありますので、アレルギーが心配な方は事前に確認が必要です。

装置が丈夫で長持ち

入れ歯やブリッジは、経年とともに劣化したり、歯茎が痩せて装置が露出して目立ってしまったりして、調整や修理、作り変えが必要になることが多いです。しかしインプラントは、正しくメンテナンスを継続すれば半永久的に使うことができる装置だといわれています。10年後に使用できている人は90%以上という調査結果もあり、中にはお亡くなりになるまで40年使っていたという方もいたようです。

インプラント治療ならではの特徴


インプラント治療は、虫歯や歯周病などで行われている一般的な歯科治療とは大きな違いがあります。だからこそ、適応できる場合とそうでない場合もあります。インプラント治療ならではの特徴をご紹介します。

インプラントは外科的手術が必要

インプラント治療は、顎の骨にインプラント体を埋め込むため、はじめに「外科手術」が必要になります。中には全身疾患がある場合や症状によってはインプラントができないと判断される場合もあります。インプラント治療が可能かどうかは、歯科医院ごとに受け入れできるかなど違いますので、まずは気になる歯科医院へお問合せをお勧めします。

治療期間が長くかかる

インプラント体を埋め込む手術後は、インプラント体が顎の骨や歯周組織としっかり結合するまで待つ期間が必要です。その後、装置を歯茎上部に出して連結部を装着する2度目の手術が必要になることもありますし、上部構造として人工歯を付けるまでの準備など、最終的な治療終了までには数カ月を要するため、しばらく仮歯で過ごしていただく時期もあります。そのため入れ歯やブリッジよりは治療終了までにかかる時間は長くなります。

歯周病は先に治療が必要

損失歯がある方は、原因が歯周病である場合もあると思います。歯周病になりやすいままの口腔内環境では、インプラント治療をしても安定が悪かったり、治療後にインプラントっ周囲炎を発症してしまう可能性が高いため、事前に歯周病治療を行う必要があります。

まとめ


インプラントは保険適応にならないため、保険で治療が受けられる入れ歯やブリッジに比べると高額な治療ですから、良い治療だと分かっていても選択することを迷うという方もいると思います。装置に関しては、機能性・審美性ともに天然歯に最も近い修復ができますので、長期的に使うことも踏まえて、どの方法が良いかご検討されてください。

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