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歯ぐきの黒ずみは歯科医院で治す 審美歯科「ケミカルピーリング」とは
23.05.01
虫歯治療や歯列矯正を行なって、歯や歯並びが綺麗に整っても「歯ぐきの色が黒い」とお悩みの方もいるかもしれません。歯と違って、歯ぐきは歯科材料でどうにか修正できるというものではないので、一般的な虫歯治療などを行う歯科医院での治療は難しいでしょう。
ただ、審美歯科の領域として、歯科医院で歯ぐきの色の治療を行なっている医院もあります。当院でも「ケミカルピーリング」という歯ぐきの治療を行なっています。そこで今回は、歯ぐきの色が変わる原因や、どのようにして歯ぐきの色を改善するのかについてご紹介します。
ケミカルピーリングとは
「ケミカルピーリング」とは、皮膚の表面にある古い角質を取り除き、肌荒れや黒ずみを取り除いたりすることや、くすみやハリなどの改善のための治療のことを言います。ですので、皮膚科や美容クリニックなどは、肌のシミ取りなどがこう呼ばれています。
審美歯科領域で言うところの「ケミカルピーリング」は、歯ぐきの黒ずみ(色素沈着)を、元の綺麗なピンク色の歯ぐきへ改善する治療のことです。方法としては、薬液を使ったり、レーザーを用いたりする方法などがあります。導入している治療法は医院によって異なる事があります。
なぜ歯ぐきが黒くなるの?
歯ぐきが黒ずんでしまう理由としては、大きく4つの理由が考えられます。
ケミカルピーリングせずに改善が期待できるものもあれば、原因の除去だけでは改善できないものもあり、薬剤やレーザーなどに頼らざるを得ないものもあります。
歯周病によるもの
歯周病に罹ると、歯ぐきが炎症することから赤黒く変色します。また、歯周病の原因のひとつとなる「歯石」が歯根の方まで沈着した状態を「縁下歯石」と言いますが、これが歯ぐきから透けて、より黒く見えることがあります。
この場合には、歯周病を治すことと同時進行で歯石の除去など行うことで、歯ぐきを本来の健康的なピンク色に戻すことを目指します。
不適合な修復物によるもの
表面は白い修復物で覆われていますが、内側に金属のフレームを使う修復方法があります。強度には長けていますが、歯ぐきとの境目に金属が露呈してしまい、歯ぐきが黒く見えてしまうことがあります。特に保険適応の修復物の場合は、自費の修復物に比べて精度が劣りやすく、金属フレーム部分が見えてしまうことがあります。また、治療後すぐは綺麗に仕上がっていても、経年とともに歯ぐきが痩せて、金属部が露呈してしまうこともあります。
治療方法としては修復物のやり直しを行うか、そもそも治療時に保険適応外の材料を用いて精巧な修復を行うことで予防することができます。
金属の劣化によるイオン流出によるもの
保険診療で用いられる修復物の材料には、非貴金属がよく用いられます。これらは口腔内の唾液の成分などによってサビて来ることがあり、金属イオンが流出することがあります。金属イオンが歯ぐきに沈着し、黒く変色してしまうことがあるのです。
金属の成分が皮膚に残り取れなくなることから「メタルタトゥー」とも呼ばれます。自然に治ることは難しいため、ケミカルピーリングの治療対象となります。
メラニンなどの色素沈着
原因の多くは「喫煙」です。メラニン色素を産出する「メラニン産生細胞」は外から刺激を受けると、組織を守るためにメラニン色素を産生します。紫外線を浴びた肌が日焼けした後黒くなるのはこのためです。口腔内でも、喫煙の外来刺激から歯ぐきを守るため、メラニン色素が産出され、黒く変色してしまうのです。他にも紫外線や口呼吸が原因となることもありますが、日常的に口腔内は直接紫外線を浴びることはないため、色素沈着の程度としては喫煙によるものが一番の原因と考えられています。こちらもケミカルピーリングで治療を行うことで改善を図ります。
こんな方にオススメです
・接客業、営業職等
・結婚式や面接など、イベントごとを控えている方
・歯のホワイトニングをされている方
・口元を全体的に若々しくしたいと考えている方 など
歯ぐきが黒ずんでいることで、歯の色が本来よりもくすんで見えることがあります。また、口元が老けて見える要因にもなってしまいます。
今は禁煙しているという方でも、一度黒ずんでしまうと自然にピンクに戻るのは難しいでsよう。人前に出ることや人に会ったりする機会が多い方や、結婚式や面接など大事なイベントを控えている方にはオススメの治療です。
ケミカルピーリングの種類と方法
色素沈着してしまった歯ぐき表面の薄皮を剥がし、回数を重ねていくことで新しい歯肉が生まれ、綺麗なピンク色に戻っていくことを期待します。歯ぐきが綺麗になると歯もより白く見えます。医院によっては「ガムピーリング」や「歯ぐきのホワイトニング」と表現されることもある治療法です。
薬剤を用いる方法
エタノールやフェノールなどが入った、歯科専用の薬剤を用いて行います。歯ぐきに塗布すると歯ぐきの表面が白くかさぶたのようになり、数日後に剥がれます。これを何度が続けることで、新しく生まれた若々しいピンクの歯ぐきに戻って行きます。
レーザーを用いる方法
黒ずんだ歯ぐきに専用のレーザーを照射することで黒ずみを取り除いていく方法です。歯ぐきの表面には麻酔を塗布して行うので痛みはあまり感じることはありません。
外科手術を用いる方法
歯ぐきが黒く変色しているだけで外科手術を行うことは稀ですが、歯ぐきを切除せざるを得ない手術の際に、一緒に黒ずみを切除することはあります。また、ケミカルピーリングでは改善が難しいほど深部に変色が及んでいる場合には、外科手術で行うこともあります。
まとめ
ケミカルピーリングは、薬剤で行えるものは比較的導入しやすいですが、レーザーや外科手術は専用の機器や設備が必要となるため、審美歯科を行うすべての医院が対応しているわけではありません。
まずは変色や黒ずみの原因が何であるかということ。それによって対処や治療法が変わってきます。また、症状によって各医院で治療できる・できないということもあるため、導入している治療法などは事前にホームページなどでチェックして受診されることをオススメします。