矯正 お悩み

歯科矯正で起こる「痛み」を理解して治療を受けたい

23.03.29

歯科矯正といえば「治療中痛い」ということを懸念して治療開始を迷われる方もいるかもしれません。確かに、今ある位置から歯に力をかけて動かすのですから、違和感がゼロというわけには行きませんが、どのような痛みかわからないことが懸念の一つだと思います。そこで、今回は歯科矯正にともなう「痛み」にスポットして解説したいと思います。どんな痛みがどれくらいあるのか。痛みを回避、緩和する方法なども含めてご紹介します。

矯正治療ってどれくらい痛いの?

「矯正治療は痛い」というイメージはないでしょうか?特に痛みに敏感な方や歯科に恐怖心の強い方は、未知の痛みが不安で「矯正治療したいけど踏み出せない」という人も多いようです。
矯正治療は歯に圧力をかけて動かすのですから、違和感や痛みをまったく感じないという人はいないでしょう。ただ、これまで多くの方が矯正治療を受け、歯並びがキレイに整っています。痛むといっても進行した虫歯のようにずっとズキズキと痛んだりするようなことはありません。皆さんがきっと『乗り越えられる』痛みです。そして、理想の歯並びに近づくにつれて「この痛みを乗り越えれば歯並びがきれいになる!」というモチベーションが、痛みを乗り越えさせてくれます。
また、一時的に起こる痛みは、対処法もありますので、次に痛みの種類や対処法をご紹介していきます。

歯科矯正で起こる「痛み」の種類


歯科矯正は歯を動かすので「歯」自体が痛む場合と、装置によって起こる別の痛みも起こす可能性があります。そこでまず、歯科矯正期間に起こりやすい痛みの原因をご紹介します。

装置をつけてすぐの痛み

装置をつけてすぐは、これまでお口に入っていなかったものが入るため「違和感」を感じやすくなります。感じ方には個人差がありますが、特にワイヤー矯正は凹凸があるため装置が粘膜に当たることや、歯が締め付けられたような鈍痛を感じることが多いようです。

歯が動くときの痛み

歯が圧力を受けて移動するので、周辺組織は軽く炎症をおこします。動く側の組織は吸収され、移動前の場所の組織は修復を行うことで痛みを感じると言われています。常にズキズキするような痛みではなく、食事の際に噛んだ時など圧力がかかったときに「ズーン」と鈍い痛みを感じます。この痛みは動く時期だけなので、調整後(マウスピースの場合は次のアライナーへ交換後)1週間くらいで徐々に痛みが軽減し、しだいに感じなくなってきます。これが毎調整後繰り返されますが、歯の動きが少なくなれば、調整後もあまり痛まなくなってきます。

装置が粘膜に当たることによる痛み

ワイヤー矯正に多いのですが、歯の表面に付ける「ブラケット」の凹凸が口唇や頬粘膜に当たるので、擦れたり口内炎になる。また、ワイヤーの最終部の処理部の凹凸が当たるなど、粘膜の痛みを感じる方が多いようです。また、マウスピース矯正の場合でも、メーカーによっては歯ぐきを大きく覆うタイプのものもあり、歯ぐきに痛みを感じるということもあるようです。

歯科矯正治療中に痛みが起こったら

では、歯科矯正治療中に痛みが起こったらどうしたらよいか、痛みの原因に合わせた対処法をご紹介します。また、これから歯科矯正をお考えの方は、対処法があることを知っていただくと安心かと思いますので、参考にされてください。

装置をつけてすぐの痛みには

付けてすぐの違和感や締め付け感などは、口腔内が慣れてくるとだんだん感じなくなってきます。はじめは痛みの他に、舌の当たり具合が変わるので、滑舌が悪くなったりすることもありますが、これも徐々に解消されることがほとんどです。

歯が動くときの痛みには

歯が動くときの痛みは、先ほども少し解説しましたが、歯の動きがストップし周辺組織の修復が終れば徐々に解消します。特に装置を付けてすぐの時期から、歯が正しい位置へ動いていくまでの期間は痛みを感じやすい時期です。調整後1週間程度で徐々に落ち着いてきますが、食事が辛い期間は、おかゆやヨーグルトのようにあまり噛まなくてよい食事でしのぐのがおすすめです。
痛みが強い場合は市販の痛み止めを服用するのも良いと思います。服薬についてご心配な方は、かかりつけの歯科医師に事前に相談しておきましょう。

装置が粘膜に当たることによる痛みには

粘膜の痛みを感じる場合には次の調整日までずっと痛む可能性もあるので、まずはかかりつけの歯科医院へ連絡してください。当たっている部分があればワイヤーの処理をしたり、処理ができない場合には歯科用ワックスで保護するなど、当たらないような対処をしてくれます。
また、装置が外れたり壊れたりで粘膜に当たってしまう場合もすぐ連絡しましょう。矯正歯科医師が定期的に来院する形で治療を行っている一般歯科医院もありますが、その場合は常駐する歯科医師が次の調整日までの応急処置をしてくれます。

まとめ


矯正治療の痛みは、歯が動くことによる痛みと装置が粘膜に当たることによる痛みがあるということがお分かり頂けたと思います。歯が動くときの痛みは、歯が動くべき位置まで移動してしばらくするとだんだん緩和してきますので、まずは様子をみておいて大丈夫です。ただ、1週間くらい様子を見ても痛みが緩和しなかったり、装置が当たって痛いときは、我慢せずにすぐに歯科医院へ相談しましょう。

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