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悪い歯並びを放置していると起こることとは?
23.02.28
歯並びの治療をしたいとお考えの場合「見た目」を気にされる方がほとんどだと思います。しかし実は歯並びが悪いことを長年放置していると、外見上の問題だけでなく、身体にとってさまざま悪影響を及ぼす引きがねになってしまう可能性があります。
今回は歯並びのタイプ別に、歯並びが悪いまま放置しておくことによる悪影響などをご紹介します。これから矯正治療をお考えの方は、自身に当てはまる内容は無いか参考にしていただき、治療開始を検討していただければと思います。
不正咬合の種類と噛み合わせの特徴
歯並びや咬み合わせが悪い状態のことを「不正歯列」といいます。代表的な5タイプに分けてそれぞれの特徴を解説します。
叢生(そうせい)
歯が顎の骨のアーチ上に一列に並びきれずに重なったり前後にはみ出したりとデコボコに生えている状態です。別名「乱ぐい歯」とも呼ばれています。
真ん中の前歯の横の歯が奥へ引っ込んで「出っ歯」に見えたり、犬歯が2番目の前歯よりも上から生えてしまい「八重歯」になるのも叢生の一種です。
反対咬合(はんたいこうごう)
下の前歯の歯並びが上の前歯の歯並びよりも前に出て、反対に噛み合っている状態です。下あご全体が前に出ているようにも見えて「受け口」や「しゃくれ」と呼ばれることもあります。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上の前歯や上あご全体が過度に前へ突き出ている状態です。大きく分けて、上あご自体はさほど出ておらず中心の前歯だけが突出している歯性の場合と、上あごが下あごに比べて大きくなった骨格性の場合があります。
過蓋咬合(かがいこうごう)
奥歯でしっかり噛んだ状態で、上の前歯が下の前歯に覆いかぶさり、深く噛みこんでいる噛み合わせの状態です。上の歯列で下の歯列が見えないくらい深く噛んでいることが特徴です。
開咬(かいこう)
奥歯でしっかり噛んだ状態でも前歯に隙間ができ、上下の前歯が噛み合わない状態です。「オープンバイト」とも呼ばれています。
歯並びが悪いまま放置しているとどんなことが起こる?
では次に、歯並びが悪いまま放置して日常生活を送っていると起こりやすい悪影響を5つ挙げて詳しく解説します。
虫歯や歯周病になりやすくなる
歯の重なり部分や前後に凹凸があると、歯ブラシの毛先が届きにくい部分に汚れが残りやすくなります。歯垢が長期間停滞ることで口腔内環境が悪くなり、虫歯や歯周病を発症しやすくなってしまいます。
健康な歯にダメージを与えてしまうことがある
歯が斜めに生えていたりすると口腔粘膜を傷つけてしまったり、同じ場所を良く噛んでしまい、口内炎ができやすいという方もいます。また、噛み合わせがずれていると、場所によって強く当たる歯とそうでない歯ができてしまい、強く当たる歯には過度な負担がかかるため、ダメージを与えてしまうこともあります。
胃腸への負担が大きくなる
歯並びや噛み合わせが悪いと食べ物をよく噛むことができません。前歯は食材を噛み切り、奥歯へ運んですりつぶします。噛み合っていない部分ではその働きができないので、消化を助ける唾液の分泌が少なくなり、食材を丸のみしがちです。食べ物が消化されにくい状態で胃腸へ送られるため、胃腸にかかる負担が大きくなる可能性があります。
顎関節に不具合を起こすことがある
噛み合わせがずれていると歯だけでなく顎関節にも負担がかかります。顎関節周辺の筋肉が過度に発達したり、顎が歪んだりすると「口が開きにくい」「口を開けると顎関節が痛む」「顎関節がカクカク音がする」といった症状(顎関節症)を起こすことがあります。また、顎関節の歪みが頭痛や肩こりなど、体の不調の発端になることもあります。
発音に影響を及ぼすことがある
発音は舌の動きや歯の裏側、上あごなどへの当たり具合で行う言葉があります。噛み合わせがずれていたり、開咬で前歯に隙間があると息が漏れたりすると、発音がし辛く聞き取りにくい発語になってしまうことがあります。
矯正治療中も放置はNGです!
矯正治療期間中に治療を放置するのは絶対にやめましょう。さまざまな悪影響につながってしまいます。矯正治療前よりも状態が悪くなってしまう可能性もあるので注意が必要です。
放置すると治療前より歯並びが悪くなる⁉
歯に通常ならかからないはずの力を加えて動かすため、毎月0.5mmくらいしか動かすことができません。ですから、一時的に噛み合わせが大きくずれたり、すきっ歯になってしまう時期があります。もちろん治療を進めていくうちに改善されますが、定期的なワイヤーの調整やマウスピース交換を中断し放置すると、中途半端な歯並びや咬み合わせになってしまいます。
計画通りに歯が動かない
矯正治療は、ブラケット・ワイヤーもマウスピースも、精密検査の結果を基に治療終了までどのように動かしていくか計画を立てます。調整時期になっても受診せず放置している期間が長いと、計画した治療期間で治療が終わらず、当初の予定よりも治療期間が長引いてしまう要因になります。
保定期間も重要!
歯並びを動かす治療期間が終ると「保定期間」に入ります。実はこの時期がとても重要で、保定装置の装着や定期健診を怠ると、歯並びの後戻りを起こしやすくなります。保定期間の管理を放置してしまい、装置を入れない、歯並びチェックに行かないといった行為で後戻りしてしまえば、何年もかけた治療期間を無駄にしてしまいます。保定期間は保定装置を決められたように使用し、装置や歯並びに異常は無いか、定期健診も受けるようにしましょう。
まとめ
悪い歯並びを放置しておくと、見た目だけでなく歯の機能としての不具合や、そこから体の不調へ波及してしまうことがあることをお分かりいただけたでしょうか?歯を健康で長く使えることで美味しく食事ができることはもちろん、体の健康、若々しさの維持など良い効果がたくさんあります。歯並びが気になっている方は放置せず、自身の歯並びがどのような治療方法や治療期間になるのか等、知ることから始めてみませんか?まずは矯正歯科でお話だけでも聞かれてみてください。