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歯科矯正治療中に感じる違和感はなぜ起こる? 原因と対策

23.02.23

歯科矯正では、治療期間中にさまざまな違和感を感じることがあります。お口の中に装置を長期間入れておくのですから、違和感についての不安を感じて一歩踏み出せないという人もいらっしゃるでしょう。しかし、原因を理解することや対処法があるということを事前に知っておけば、歯科矯正を始めるにあたっての不安解消につながるのではないでしょうか。
そこで今回は、歯科矯正治療期間に感じる違和感やトラブル、その対象法などをご紹介したいと思います

なぜ矯正治療中に違和感を感じることがあるのか


歯科矯正では、歯を動かすためにさまざまな装置を用います。ブラケットワイヤー矯正もマウスピース矯正も、これまで無かったものがお口に入れば、違和感を全く感じないという人は少ないと思います。また、歯に力を加えて動かしていくため、歯や周辺組織にも負荷はかかりますし、これまでの咬み合わせも変わるため、違和感を感じることにつながります。

違和感を感じる原因

では具体的に、歯科矯正治療中に違和感を感じる原因として多いものをいくつか挙げます。ほとんどの違和感が一時的なもので解消されますが、酷い場合には対処が必要な場合もありますので参考にされてください。

装置の異物感

歯に何かが詰まったときにずっと違和感に悩まされる。なんてことはありませんか?お口の中はとても敏感で、少しの変化も違和感を感じやすいです。装置をお口に入れるのですから、違和感が全くないというのは難しいかもしれません。歯科矯正治療中の違和感といえば一番の要因として考えられるのが「装置の異物感」だと思います。矯正装置ごとに違和感の感じ方を挙げてみましょう。

・ブラケット・ワイヤーによる表側矯正
表側に付けるブラケット・ワイヤー矯正の場合、デコボコしたブラケットやワイヤー連結部分が粘膜に当たり、違和感だけでなく、擦れて痛みを伴う場合もあります。調整後の歯が動くことでの痛みは様子を見てもよいですが、装置が粘膜に当たって痛い場合は、歯科用ワックスを凸部に貼るなど対処してもらえることもあるので、歯科医院に相談してみてください。

・ブラケット・ワイヤーによる裏側矯正
裏側矯正はブラケットとワイヤーが歯の裏側を連結しているので、口唇や頬の粘膜を傷つけることはありません。ですが、舌に触れやすいため、舌を傷つける可能性はあります。
また、舌側や口蓋に装置があるため滑舌が悪くなりやすいです。装置に慣れるまでは会話のたびに違和感や発音のし辛さを感じることもあるでしょう。

・マウスピース矯正
マウスピース矯正は装置に凹凸がないので、ブラケット・ワイヤーのような違和感は感じません。ですが装置が上下の歯全体を覆っているので、噛み合わせに違和感を感じやすくなります。常に歯の間に何かを噛んでいる状態になるので、慣れるまでは違和感を感じやすいでしょう。また、マウスピースの厚みの分歯が少し沈んでしまう特徴があり、奥歯が浮いたような違和感を感じるのです。傷による痛みは起こらないので、歯が動くと自然に違和感は感じなくなります。

咬み合わせが合っていない

歯科矯正治療は、歯を動かして治療を進めていくという課程から、一時的に咬み合わせが変化します。
これまで噛んでいた場所とは違う部分で噛むことや、歯と歯が当たって噛み合わない部分が起こったりするのです。ほとんどの場合は動く課程での一時的なもので、治療を進めていけば正しい噛み合わせの位置に納まり、違和感は自然に解消されます。

周辺組織の変化や炎症によるもの

治療期間は定期的に歯に少しずつ力を加え、矯正装置で歯に負荷を掛けることで、動かしたい方向へ歯を移動させます。移動させたい方向の顎の骨に歯が押し当てられることで骨が吸収され、反対側の広がった側の組織に新たな骨が形成されます。
この組織の変化や炎症などが相まって、噛みしめたときに歯が浮いたような違和感や痛みを感じやすくなるのです。歯が動いている時の違和感は7~10日かけて緩和していきます。解消されない場合は歯科医院に相談されてください。

歯科矯正治療から起こるお口以外の違和感

歯科矯正治療による違和感がお口以外にも起こることがあります。治療前にはなかった違和感を感じる場合、もしかすると矯正治療が関係しているのかもしれません。関係がある可能性のある症状をいくつかご紹介します。

歯が痛む

歯が動く際には一定期間違和感や痛みを感じることがあります。その場合は7~10日程度で痛みは緩和されますが、違和感や痛みが継続する場合には他の原因も考えられます。
例えば虫歯や歯周病なども原因となっているかもしれません。歯科矯正治療前には、虫歯や歯周病がないか確認し、ある場合には治療後スタートします。しかし、矯正治療期間中は歯磨きのし辛さなどから虫歯や歯周病のリスクが高まるため、歯の痛みや歯茎の炎症を起こしている可能性もあります。

顎関節への負担

一時的に咬み合わせがずれることで、噛み合っている部分とそうでない部分が生じます。そのため顎関節に過度の負担がかかると「口が開けにくい」「顎が痛む」「顎関節がカクカク音がする」などの違和感を感じる方もいるようです。先述したように、噛み合わせのずれは歯並びが整えば自然に解消されるので、これらの違和感も一時的なことが多いのですが、違和感だけでなく痛みが持続するというような場合には、歯科医院にご相談されてください。

まとめ

歯科矯正治療中の違和感は「一定期間は様子を見る」ということが対処法となってしまいます。
自然に解消する違和感であれば問題ありませんが、装置が入った後は月に1回~2カ月に1回程度の調整での通院になります。そのため違和感を感じても「次の受診日に言えばいいか」と放置してしまうこともあるようです。
もしも持続したり違和感や痛みが強くなる場合には、治療が思ったように進まない原因になってしまう可能性もあります。「何かおかしいな」と感じたら、放置せずに歯科医院へまず相談してみることが大切です。

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