矯正 お悩み

しゃくれ顎や受け口が気になる「反対咬合」を歯科矯正で治すにはどうする?

22.08.28

下あごが上あごより前に出ているしゃくれ顎や受け口といわれる症状は、美容整形出直すのか、歯科矯正で治すのか分からないという人も多いようです。
このよう状態を「反対咬合」といい、歯科では不正歯列のひとつとして矯正治療の対象です。
とはいえ、上下反対の噛み合わせは、歯だけの問題の場合と、骨格が関係している場合がありますので、それ次第で矯正方法も異なってきます。
今回は、反対咬合について詳しく解説しながら、反対咬合で起こる不具合や治療方法などご紹介します。

反対咬合とは?

反対咬合は下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態のことを指します。
咬み合わせが逆になっていることで下顎が前に出てしまうため、横から見た時の顎のラインを気にされる方も多いです。
また、食事をするときに前歯で噛み切ることが難しく、奥歯しか当たっていないことが多いため、奥歯に負担がかかってしまう咬み合わせになりがちです。また、発音がしにくいと感じたり、顎が痛むなど顎関節症の症状を感じる方もいます。

なぜ反対咬合になるのか

・口周辺の筋力不足
お口周辺の筋肉の発達が弱いと反対咬合になってしまうことがあります。原因の一つとして「舌の位置」が関係していると考えられています。本来上あごにくっついているのが望ましいのですが、舌の筋力が弱く下がっていると下の顎が過度に成長してしまうことがあります。

・顎の成長期にある悪習癖
幼少期の顎の骨は柔らかく、特に生後すぐから12歳ころまでは成長著しい時期です。その時期に唇を吸う癖や顎を前に出す癖があると、反対咬合になる可能性があります。

・遺伝の可能性も
親御さんが反対咬合の場合、必ず反対咬合になるというわけではありませんが、骨格などは遺伝性があるため、ご両親のどちらか受け口の場合は反対咬合になる要素を持っているかもしれません。また、遺伝要素だけでなく、家族で同じ食事や生活習慣を送ることから、同じように成長しやすく、親子で似てくるということもあります。

反対咬合で起こりやすい不具合

反対咬合はさまざまなお口周辺の不具合につながることがあります。どのような不具合をかんじやすいのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。

食事のしにくさを感じやすい

前歯の嚙み合わせが逆になっていることから、反対咬合の方は「前歯で噛み切る」という食事の最初の動作がしにくくなります。肉を噛み切ることや、レタス等の繊維質のものを噛みちぎる、とうもろこしなどの細かく噛み取りたい動作などが苦手と感じることが多いでしょう。そのため食事はほぼ奥歯で噛むことこから奥歯への負担が増えて、加齢とともに奥歯を失うリスクも高くなってしまうと考えられています。

滑舌が悪くなりやすい

反対咬合の方は、下顎の歯列が前に突出する原因のひとつとして、舌の悪習癖をお持ちの方が多い傾向にあります。また、奥歯の噛み合わせが前方にずれる噛み方の状態から「サ行」の音が発音しにくくなる傾向にあるようです。

顎関節症になりやすい

歯の形状は、上下左右に対照的な歯の噛み合うべき場所でしっかり噛めるようにできています。上の歯列が下の歯列に被るように噛むのが本来の噛み合わせなので、反対に噛んでいるということは噛む位置がずれているということでもあります。食事をするときに噛みやすい位置で噛もうと顎をずらして噛むことを繰り返すため、顎関節に過度の負担がかかってしまいます。これが顎関節症のリスクとなってしまう可能性もあります。

見た目にコンプレックスを抱えやすい

さまざまな不正歯列のタイプがありますが、上下が逆に噛みこむことで、下あごが前に突き出てしまいます。横顔の鼻先、口先、顎の3点を結んだ際、一直線になるのが美しさの基準といわれる「Eライン」を気にされる方も多いため、見た目にコンプレックスを抱えてしまう方も多いようです。

反対咬合の治療

反対咬合には、顎のラインはさほど変わらず、歯だけが上下逆になっているような軽度の症例から、顎の骨の大きさから上顎よりも大きくなっている重度のものもあり、それぞれ治療方法が異なります。

機能的反対咬合

顎の形状的にはさほど前方突出が無く、奥歯で噛み合わせた際に前歯の部分だけ反対に噛んでしまう、前歯で噛もうとすると奥歯が当たらなくなるといった比較的軽度な反対咬合を「機能的反対咬合」といいます。治療方針や方法としては、通常の矯正治療と同じです。ただし、反対に噛みこんでいる状態であることや、舌の悪習癖を伴っている場合が多いため、通常1~2年の動的治療期間にプラス半年ほどかかる傾向があります。

骨格的反対咬合

下顎の大きさが上顎よりも大きく成長してしまっていることで、歯並びだけの問題ではない場合は骨格的反対咬合です。「骨格性下顎前突」ともいわれます。そもそもの顎の形状に問題があるため、歯列を整えるだけでは治すことができず、顎の骨の形態を整える外科手術を伴う矯正治療となるケースが多いです。外科治療が必要と診断されたら、通常の矯正治療期間にプラスして、外科手術の期間が必要になりますので、治療期間はさらに長くなります。
手術は全身麻酔下で行い、2~3週間の入院が必要になります。顎を一部切除し、後方へスライドさせて理想的な位置で固定します。留め具のボルトは1年後に外すので、手術は2回必要になります。

まとめ

しゃくれや受け口といった反対咬合が気になったら、まずは歯並びや噛み合わせだけの問題なのか、骨格も関係しているのか診断してもらいましょう。美容整形や審美歯科の部分的な矯正は、後戻りや他の不具合を招く可能性もあるため、まずは根本的な原因をしっかりしることが重要です。また、顎変形症と診断された場合は保険適応で治療を受けることができる場合もありますが、診断や治療が受けられる歯科医院は厚生労働省の認可を受けている医院のみです。適応かどうか気になる方は事前に対応可能な医院か確認されることをおすすめします。

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