インプラント お悩み

インプラント治療に伴う抜歯後・埋入手術後に起こる痛みについて

22.03.31

失った歯の修復としてインプラント治療を選択肢としてお考えになる方も増えていると思いますが、インプラントは外科手術を伴うため、「痛み」に不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に保存不可能となった歯の抜歯をしたうえでインプラント手術を行う方は「抜歯の痛みとインプラント手術時の痛みの2度味わうことになるのでは?」という不安もあると思います。
そこで今回、治療をお考えの方向けに、インプラント治療に伴う痛みについてご紹介したいと思います。

インプラント治療前に抜歯が必要な場合の痛みは?


インプラント治療は歯を失った部分に行う修復方法で、歯の根っこの代わりとなる「インプラント体」を顎の骨に埋め込むため、天然歯に近い機能・審美性を再現することができるといわれています。
すでに歯を失った場所に行うだけでなく、虫歯などで残根状態になり保存不可能と診断された歯を抜歯し、そこにインプラントで修復するというように計画的に修復を行う場合もあります。抜歯を行うにあたっては基本的に注射による局所麻酔を行いますので痛みはほとんど感じません。

抜歯と同時にインプラントを埋め込む場合

抜歯を行ったのち、すぐに抜歯窩にインプラントを埋入する場合は、手術を1度で済ませることができるため、麻酔の回数も1度で済みます。抜歯後即時インプラントができる場合は、歯茎の切開や顎の骨の切削処置を行わなくて良いのがメリットです。

抜歯後すぐにインプラント埋入手術が出来ない場合もある

残痕状態の虫歯の場合、根っこの下に膿胞ができていたり、歯茎が歯周病を起こしているケースもあります。歯周病から顎の骨が溶けている場合などもあり、周辺組織の状態が悪い場合には、即日インプラントを埋入できない場合があります。その際には抜歯後期間をおいて再度インプラント埋入手術をすることになります。

インプラント埋入手術に関する痛みは?


抜歯後すぐにインプラント埋入手術できない場合は抜歯窩が塞がっていますので、埋入のために歯茎を切開し、顎の骨にインプラントを埋入するための穴を開ける処置を行います。そのため治療前には除痛のために必ず麻酔を行います。この時も局所麻酔を基本としますが、場合によっては「静脈内鎮静法」を使うことがあります。

静脈内鎮静法を行うケース

・施術本数が多いなど、痛みが強いと予測される場合
・歯科治療や手術に対する「恐怖心」が強い場合
・嘔吐反射が強い方
・高血圧で手術中の血圧を安定させたい方
局所麻酔で充分痛みを取り除くことができるケースであっても、術中の意識があることで「手術している」という雰囲気や機械音で不安を感じるという方は、患者さま側からのお申し出で使用する場合もあります。
<静脈内鎮静法の副作用は?>
静脈内鎮静法に用いられる薬剤にはまれではありますが副作用を起こす体質の方もいらっしゃいますので、問診時など事前にしっかり歯科医師と相談しておきましょう。
<費用は保険適応外です>
抜歯やインプラント治療において静脈内鎮静法を用いることにした場合は保険適応外の処置となりますので、加算される費用を事前に確認されることをお勧めします。

抜歯やインプラント埋入後の痛みについて


術中の痛みは麻酔で除痛できても「帰宅後に痛むのでは?」と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。施術後は痛み止めと抗生物質が処方されますのでご安心ください。飲み方は歯科医師の指示にしたがって飲むようにしましょう。
一般的には麻酔が切れ始めるのが約1時間~1時間半くらいです。完全に感覚が戻るまでには3、4時間かかります。麻酔が切れると徐々に痛みを感じる方もいらっしゃると思いますので、早めに痛み止めを飲みましょう。抗生物質は細菌感染を起こさないように処方されますので、痛みに関係なく飲み切ります。

抜歯後の痛みはどれくらい続く?

ほとんどの場合1、2日で痛みを感じなくなります。しかし、抜歯した部分に膿が溜まって状態が悪い場合や、抜歯した穴の骨が露出したままになり骨に細菌感染が起こっている「ドライソケット」になると痛みが3~5日続くこともあります。

インプラント手術後の痛みはどれくらい続く?

インプラント埋入後は歯茎の切開や顎の骨の切削などを行っている場合、痛みは1週間から10日ほど続くことがありますが、日を追うごとに徐々に軽くなっていきます。もしも痛みが長引いたり痛みが強くなったりする場合は術後のトラブルも考えられますので、我慢せずに歯科医院連絡しましょう。
<痛みが続く場合に考えられるトラブル例>
・インプラントが正しい位置や角度で挿入されていない
・歯茎や顎の骨に術中やけどなどのトラブルが起きた
・インプラントが神経に触れてしまっている
・インプラント埋入時に細菌感染を起こしてしまった
・インプラントの素材が身体に合わずアレルギー反応を起こしている
上記のようなトラブルが起こることはまれですがゼロとは言い切れませんので、術後の痛みが長く続
く場合はできるだけ早めに主治医に相談してください。

まとめ


インプラントは外科手術を伴うことで、どうしても「痛み」は起こります。ですが、入れ歯やブリッジに比べて安定感があり機能的で、審美的にも美しく仕上がりますし、喪失部の修復としては優れた治療法と言えますので、一時的な痛みを乗り越えれば、天然歯と同じように食事を楽しむことができます。また、痛みと言ってもほとんどは痛み止めでしのげる程度の痛みで徐々に治まります。もしも痛みに対して不安のある方は、静脈内鎮静法など取り扱っている医院もありますので、事前に充分相談され、安心して治療に臨まれてくださいね。

                                   記事一覧へ戻る