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安いインプラント治療は受けても大丈夫? 格安インプラントの安全性を解説

22.03.31

インプラント治療は天然の歯に最も近い修復方法といわれています。
しかしその治療費に驚愕し、治療を受けることをためらう方もいらっしゃるでしょう。
完全自費の治療なので入れ歯やブリッジに比べて高額になってしまうのは仕方ないとはいえ、「できるだけ安い医院で」と検索することもあるでしょう。
中には格安なインプラント費用で治療を行っている医院を目にすることがあるかも知れません。
そこで今回は、インプラント治療の費用が格安な場合の安全性について解説します。
医院選びの参考にお読みください。

なぜインプラント治療は高額なのか

インプラント治療が高額なのは、完全に自費診療だからです。保険証で適応される治療項目になく、かかる費用の全額を支払うことになるため高額になってしまいます。そこに麻酔や外科手術にかかる費用などもかかるため、入れ歯やブリッジなどによる損失歯の修復よりも高額になってしまいます。

1本あたりの相場費用は?

インプラント1本あたりの治療費の相場は30~40万円といわれています。インプラントメーカーによって装置代に差がありますが、材料や専用の器具に加え、高度な技術を要する治療となるため、その技術料も加味された費用が設定されます。そのため医院によって費用に差があるのです。

本数によっても費用は変わる

喪失歯が複数ある場合、インプラントも数本行うこともあるでしょう。1本あたりの相場が30~40万円ですから、本数が増えればその分費用はさらに増えます。中には複数本治療され、100万円以上になるケースもあります。失った歯をどこまでインプラントで治療するかは、事前に治療計画や費用見積もりを参考に検討されるとよいでしょう。

格安インプラントの安全性は?


「インプラント治療を受けたくても費用がネック」という方は、いわゆる「格安インプラント」をご検討される方もいらっしゃるでしょう。相場のインプラントよりも安い価格はとても魅力的に感じます。中には相場の1/4程度の費用で受けられるインプラントなども目にすることがあります。しかし格安インプラントはさまざまなリスクからあまりお勧めできません。

日本では未承認インプラントの可能性

価格を抑えるためには、インプラント装置自体が安いものを使っていることが考えられます。インプラントメーカーはたくさんありますが、中には日本で承認されていない質の低いインプラントもあります。原価の安い安全性未承認のインプラントを使用することで治療費を安くできている可能性があるため、治療後安全性を考えどのようなインプラントを使用するのかは事前にしっかり確認しておきましょう。

高度な医療技術を持った歯科医師であるか

インプラント治療は、歯科治療の中でも非常に専門性の高い治療で、治療に関する知識や経験はもちろん、とても高度な技術を要する治療です。治療を行える歯科医師も限られています。治療費にはインプラント装置や材料だけでなく、麻酔や外科手術に伴うさまざまな器具に加え、患者の口腔だけでなく全身に関する知識を要する「技術」に対する対価も含まれています。格安インプラ
ント治療を行っている医院の安全性がどれだけ高くその費用であるかを考えると、安全性が高いと言えるかどうかは慎重に確認されることをおすすめします。

どんなトラブルが起こる可能性がある?

格安インプラント治療を受けた事例で、実際にトラブルも報告されています。
原材料が粗悪なインプラントを用いたことで金属アレルギーを起こしたりすることなどが原因で、顎の骨や周辺組織と結合できず外科手術後の予後不良を起こしてしまったケースや、インプラント治療の経験が浅い歯科医師による外科手術の失敗から神経や血管を損傷したり、切削時にやけどを起こしたりする術中トラブルが起こった事例もあります。

安全性の高い治療で費用を抑える方法はある?


日本で承認を受けているインプラントは、身体との親和性も良い素材であり、インプラント本体に保証が付いているものなどもあります。安全性の高いインプラント治療を、できるだけ費用を抑えて受ける方法はあるでしょうか?
一部、費用を抑えることができる場合がありますので、いくつかご紹介します。

医療費控除を行う

「医療費控除」とは、1年間にかかった医療費の総額が10万円以上の場合、10万円を超えた部分の金額に応じて、所得税の一部が還付される制度です。条件に当てはまる場合は申請することで結果的に費用を抑えることができます。インプラントは10万円以上かかることから医療費控除の対象になります。また、医療費の総額なので、インプラント治療のために受けた骨造成手術や歯科治療以外の医療費も合算した金額から算出されます。ただし審美目的でのインプラントは対象外になりますので、注意が必要です。

保険適応となる場合

まれではありますが、インプラント治療に健康保険が適応できるケースがあります。この制度のことを「高額療養費制度」といいます。例えば、生まれつきもしくは事故等で上顎の1/3以上が欠損している(した)、もしくは上顎洞や鼻腔と繋がっているような状態など、審美目的でなく医療としてインプラント治療を必要とする状況の場合は、保険適応で治療を受けることができます。
ただし、インプラント治療を行っているどの歯科医院でも行えるわけではなく、保険適応して治療ができる医院は限られています。条件に合う医院は多くありませんので、もしも適応条件に当てはまるかもしれないと思われる方は、事前にどの病院であれば保険適応になるか確認して受診されるとよいでしょう。

まとめ


インプラント治療は高額な治療のため、少しでも安く受けられないかと思いがちですが、格安インプラントは安全性の面からもお勧めできません。まずは技術力や治療実績を参考に医院を選ぶとよいでしょう。その中で費用を参考に比較検討したりするのは良いと思います。また、補償内容なども医院によって違うため、費用と併せて確認されることをお勧めします。また、治療を保険適応で受けることができる症例であるかどうかや、治療後に高額医療費として医療費控除を受け結果的に費用を抑える方法もあります。受診される医院を事前にリサーチしたり、お問い合わせされ、慎重に医院選びされてくださいね。

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