インプラント お悩み

治療前に知っておきたい! インプラントの施術時間はどれくらいかかるのか

22.02.27

インプラント治療は虫歯の治療のように「削って埋める」というようにすぐに終わる治療ではありません。
治療には段階があり、終了するまでに一定期間を要します。その中でもインプラントを埋め込むための「外科処置」に費やす時間が長く、1日がかりの手術となります。そのため「どれくらいの時間がかかるの?」「入院は必要?」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、インプラント手術にかかる「施術時間」について詳しく解説することにしました。患者さんのお口の状態によって差がありますので、参考までにご覧ください。

インプラント治療にかかる時間は個々によって異なります


インプラント治療はいくつかの段階に分かれておこなわれるため、それぞれにかかる時間が違います。
また、埋入手術を行うために顎の骨を増やす処置が必要な場合や、単体でない装置の場合など、用いられる治療内容によっても変わります。まず、インプラント治療にどのような処置がどのような段階で必要かを知っておきましょう。

インプラント治療の流れと施術時間について


①カウンセリング
まず初めに、インプラント治療に関するご不安ごとや疑問などを解消していただけるよう、カウンセリングを行います。
所要時間は医院によって異なりますが、おおよそ30~1時間程度かと思います。
外科手術を伴う治療であったり、保険適応外の治療となることから、メリットやデメリット、費用に関することなど、治療を受ける前に分からないことがないようにしておきましょう。
②精密検査・診断・治療計画
次に歯周病がないか歯茎の検査を行い、手術を受けることができる口腔状態であるか確認します。
その後、検査や歯型採りを行い、残存歯や嚙み合わせの状態などを詳細に確認します。
また、CTスキャンなども用いて、顎の骨の密度や厚みがインプラントを埋入するために必要なだけあるかどうか検査を行います。
検査結果をもとに、インプラントの人工歯部分の材質や色などのご要望、費用の算出等を行い治療計画を立てます。
歯科医師から説明を受け、ご納得いただけたら、治療に関する契約を行います。かかる時間は約30分~1時間程度です。
③インプラント埋入手術
歯の根っこの代わりとなる部分「インプラント体」を顎の骨に埋め込む手術です。歯茎を切開して、インプラントを埋め込むための穴を顎の骨に空ける治療を行います。施術時間は1本あたり約15分くらいですが、インプラントの本数や、方法(1回法か2回法)、抜歯が必要かどうか、顎の骨の再生治療の有無などによって処置にかかる時間が変わります。
④抜糸・仮歯の調整
術後2週間ほど経過したら、縫合していた歯茎の抜糸を行います。その際、必要に応じて仮歯の調整も行います。時間は15~30分程度です。
⑤待機期間
インプラント体を埋入したら、顎の骨や周辺組織と結合するための期間を置きます。
待機期間は治療した場所や骨の状態などによっても差がありますが、約2~3カ月程度です。状態によっては半年ほどかかる場合もあります。基本的に歯科医院から提案された検診日で通院しますが、もしも痛みや腫れが治まらなかったりひど
くなった場合には、何らかの不具合により結合が上手くいってない場合がありますので、歯科医院にご相談ください。
⑥アバットメントの取り付け
再度歯茎を開いて、顎の骨とインプラントがしっかりと結合しているか確認します。安定したことが確認出来たら、インプラント体に「アバットメント」という人工歯との接続部を取り付けます。施術時間は30分程度です。
処置後1~2週間、再度待機期間を置き、再度開いた歯茎が修復されるのを待ちます。
⑦歯型採り
歯茎の状態が整ったら、人工歯を作るための歯型採りを行います。施術時間は約30分程度です。
⑧人工歯の装着
アバットメントに完成した人工歯を装着します。その後噛み合わせや形態の調整を行い、完了となります。施術にかかる時間は約30~1時間程度です。
⑨定期的メインテナンス
インプラントは人工的な歯ですが、メインテナンスをおろそかにしてしまうと「インプラント周囲炎」という歯周病のような症状を起こしてしまい、天然歯と同じように脱落してしまうこともあります。また、人工歯部分が欠けたり噛み合わせがずれたまま使用していると破損の原因になってしまいます。
治療後はいつまでも健康にインプラントを保てるように、定期検診やメインテナンスを受けるようにしましょう。
期間はお口の状況によって個人差がありますが、3~6カ月に1度くらいです。

インプラント埋入手術の1回法と2回法による施術時間の違い


通常のインプラント埋入手術には「一回法」と「二回法」とがあります。それぞれの手術方法とかかる時間についてご紹介します。

1回法

歯茎を切開しインプラント埋入手術を1回で行う方法です。インプラント体を埋め込む際に上部を歯茎の外に出したままにしておくことで、人工歯を接続する前に再度歯茎を切開して連結部を装着する処置の必要がありません。インプラント埋入後すぐに人工歯を付けることも可能です。
【施術時間】
・1本の場合:15~20分
・2~3本の場合:25~45分
・4~5本の場合:50~85分
・7~10本の場合:90~120分

2回法

歯茎の切開手術を2回行う方法です。1回目にインプラントを顎の骨に埋入し、歯茎を被せて縫合します。
インプラント体が顎の骨や周辺組織と結合する期間を待って、再度2回目の歯茎切開を行い、人工歯を接続する装置を取り付けます。インプラントを埋め込む部分の顎の骨が少なく、増骨などを必要とする場合などは感染リスクも考慮して一旦歯茎を閉じる2回法を行います。
【施術時間】
1回目
・1本の場合:10~25分
・2~3本の場合:20~35分
・4~6本の場合:40~75分
・7~10本の場合:80~110分
2回目
・1本の場合:5~10分
・2~3本の場合:15~20分
・4~6本の場合:25~35分
・7~10本場合:35~60分

その他かかる施術時間

増骨や骨移植が必要な場合

顎の骨にインプラント体を埋め込めるだけの骨密度や厚みが足りていない場合、事前に増骨や骨移植などを行う必要があります。インプラント埋入手術と同時に行える場合には10~20分程度、事前に行う場合は増骨で30~40分、骨移植で90~180分程度です。

静脈内鎮静法を用い場合

局所麻酔だけでなく、静脈内鎮静法を点滴で行う場合は、術前に30分程度かかります。
〇抜歯を同時に行う場合
抜歯予定で、処置後すぐにインプラントを埋め込む方法があります。その場合には抜歯の時間として5~10分程度多くかかります。

まとめ


インプラント治療は一度に治療を行うことができません。事前に検査や下準備としての施術が必要になる場合や、埋入する方法や本数などによって、それぞれ施術時間が異なります。一番時間がかかるのはインプラント埋入手術です。ご自身のお口の状態によってできる治療法や追加しなければならない施術も変わりますので、正確な目安時間は担当歯科医師から事前にしっかり説明を受けておきましょう。

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