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矯正治療中の着色汚れ対策 ホワイトニングはできる?
21.08.25
矯正治療をしていると装置がお口に付いている時間が長いため「歯の着色汚れが気になる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
矯正治療には歯面に付けたままになるブラケットとワイヤーを用いた矯正とマウスピースを用いる矯正があります。
今回はそれぞれの着色汚れに対しての対処方法や、着色が気になったときにホワイトニングできるのかなどご紹介します。矯正治療をお考えの方はぜひ参考にご覧ください。
「着色汚れ」とはどんなもの?
歯に付いてしまう汚れはいくつか種類があります。
まず、みなさんご存じの「歯垢」は柔らかいので歯ブラシで清掃すれば落とすことができます。
歯垢が時間がたって石灰化すると「歯石」となって歯ブラシでは落ちなくなってしまいますが、歯科医院で専用の器具を用いて落とすことができます。
「着色汚れ」は歯面に色素が沈着してしまった状態で、ハブラシ清掃だけでは落ちにくい汚れです。
着色汚れが付いてしまう理由は以下の通りです。
- 主な原因は着色性食品!?
- なぜ色素沈着してしまうのか
- 歯ブラシでも落ちない着色汚れになってしまう
- マウスピースの着色にも注意が必要
- ラビアル矯正の歯みがきは「清掃補助具」を駆使
- マウスピース矯正は食後歯みがきして再装着
- ラビアル矯正は装置調整日にクリーニングは可能
- マウスピース矯正はホワイトニングを同時進行も可能
色素の濃い飲食をして歯みがきが滞ると、その色素が歯面に残ってしまいます。
例えばカレーやミートソース、コーヒーや紅茶、ワインなど「着色性食品」と呼ばれるものです。
これらは歯垢として歯面に残っているだけならしっかり磨けば落ちるのですが、矯正期間中は装置が邪魔をして磨き残しが
出やすくなり、長期間付いたままになるという状況が起こりやすくなります。
歯面は「エナメル質」という層で覆われていて表面に滑沢があります。ですが飲食すると、含まれる「酸」によって表面のミネラル成分が抜けて「脱灰」の状態となり凸凹になります。
通常は唾液の成分の働きや歯みがきによって口腔内が中和されると歯面は自然に元に戻りますが、色素が歯面に沈着したままになっていると脱灰した組織に色が残ってしまい、歯ブラシでは落ちなくなってしまうのです。
着色性食品は食べてすぐ色素が付いてしまうわけではありません。
先ほどご紹介したように、歯ブラシで落ちる着色汚れもあります。
しかし、沈着して時間が経過するとどんどん落ちにくくなってしまいます。
なぜなら、歯面の組織の中に色素が入り込んでしまうためです。
こうなると歯科医院での歯面清掃や漂白(ホワイトニング)でなければ色素が落ちないレベルになってしまうこともあります。
特にマウスピース矯正を受ける方は、装置の着色にも注意が必要です。
マウスピースは歯科用プラスチックを用いた透明感ある薄い素材でできています。
うっかり外さないまま飲食してしまうと、素材に色素が付いて変色してしまいます。
素材に色素が付いてしまうと洗っても落ちません。食事中は必ず外して食べることを心掛けましょう。
矯正治療期間中の清掃は念入りに!
矯正治療は装置で歯を覆います。
特に、ブラケットとワイヤーを用いる「ラビアル」矯正は、装置を歯科用の接着剤で固定し、歯並びが整うまで付けたままになり、歯磨きがし辛く汚れが残りやすくなってしまいます。
また、マウスピース矯正は取り外しができるので清掃はしやすいのですが、ほぼ1日中歯列全体を覆っているので、清掃不十分のまま付けていると着色を起こすことも考えられます。
矯正期間中は固定式・可撤式どちらであっても、清掃は通常よりも念入りにする必要があります。
ブラケットとワイヤーが付いたままになる表側矯、裏側矯正は、ブラケットの凹凸部やワイヤーが邪魔をして歯ブラシの毛先が歯面に届きにくくなります。
そこで、「ワンタフトブラシ」を併用しましょう。
装置と歯面の境目や、歯と歯の間などにピンポイントで充てることができるので、細かい部分の清掃に最適です。
マウスピース矯正は外して食事できるので、ラビアル矯正に比べて食べカスが詰まりにくく快適です。
しかし歯全体を覆うため、汚れたまま装着していると色素沈着しやすくなったり、虫歯や歯周病のリスクも高くなってしまいます。
食後は歯みがきしてから再装着が理想です。出先で歯みがきできないときはしっかりお口をゆすいで装着し、帰宅後できるだけ早く歯みがきしましょう。
矯正治療期間中に「ホワイトニング」はできる?
矯正期間は歯並びにもよりますが、約1~3年装置を付けることになります。その間色素沈着が目立ってしまった場合、着色を落とすことはできますが、できる方法は装置ごとに違います。
ラビアル矯正の場合、月に1回のペースでワイヤーを外し装置を調整します。
その際、歯科衛生士が歯垢や歯石、色素など専用機器で落ちる汚れは歯面清掃を行います。
ただ、ブラケットは外せませんので、全体をホワイトニングすることはできません。もしも歯の色が気になっている人は、装置撤去後にホワイトニングを受けることになります。
マウスピース矯正の場合は装置が可撤式なので歯面全体をクリーニングすることができます。
また、歯面を漂白するホワイトニングも可能なので、矯正治療期間中に同時進行で受けていただくこともできます。
ただしすべての矯正医院がホワイトニングを行っているわけではありませんので、ご希望の場合には治療開始前に確認が必要です。
まとめ
矯正期間中は期間前に比べて歯面に色素沈着しやすい環境になります。
ラビアル矯正とマウスピース矯正どちらにも気を付けなければならない要素がありますので、食事や歯磨き法を日頃から気を付け
ていただくことになります。
矯正装置の定期受診は装置の調整や交換だけでなく、歯科衛生士からブラッシング指導や食事指導、歯面清掃を受けますので、間隔が開かないよう計画的に受診しましょう。
またホワイトニングもご希望になる場合は、マウスピースであれば矯正期間を上手に活用することもできる場合がありますので、取扱い医院に相談されてみてください。