審美 基礎知識

最近注目の審美歯科って?歯が白くなる「ホワイトニング」について知りたい

20.12.15

最近メディアでもよく取り上げられるようになった「審美歯科」とはどんなものなのでしょうか?
ただ「虫歯を治療する」といった方法ではなく、歯並びや歯肉も同時に美しく整えることを目的とし、口元の見た目の美しさに重点を置いて行われる治療の総称です。
今回はその中でも最近注目されることが多い「ホワイトニング」に関して詳しくご紹介します。

歯の「ホワイトニング」とは?

歯科で行われる歯のホワイトニングは、エステや美容サロンで行われるものや、市販のホワイトニングキットなどを使うものとは違います。
なぜなら、歯科医院でなければ取り扱うことができない薬剤を用いて、歯質自体を本来の色よりも白くする方法だからです。

厚生労働省の規定により、歯質を漂白するために使われる「過酸化物」は、歯科医院でしか取り扱うことができません。エステや美容サロン、市販薬などのホワイトニングでは、歯本来の白さへ戻すための「クリーニング」をおこなって、現状よりも歯の白さやツヤを取り戻すケアとなります。
この違いを知ったうえで、ホワイトニング方法を選択していただきたいと思います。

歯科医院で行われる「ホワイトニング」について知りたい!

歯科医院では、歯科医師や歯科衛生士といった資格保有者がおこなう「オフィスホワイトニング」と、歯科医院が監修するホワイトニングケアキットを購入して自宅でおこなう「ホームホワイトニング」があります。また、日常的なケアは自身で行いながら定期的にプロに管理してもらう「デュアルホワイトニング」という方法もあります。

  • どうやって歯を白くするの?
  • 歯の表面は「エナメル質」という組織で覆われています。過酸化物を作用させると、この組織からミネラル成分が一時的に抜けて表面が粗造になり、光の乱反射を起こす様な作用が働きます。擦りガラスのような効果で歯が本来あの色よりもさらに白くなるのです。

  • 後戻りすると聞いたのですが…
  • 組織の構造変化で白くしていますので、唾液の成分の働きでミネラルが再度摂り込まれると、歯質ははいずれ元に戻ります。
    その点は、修復材を被せて歯の色を白くする方法に比べると、白さを維持するためには定期的にリタッチが必要になり、面倒に感じる人もいるかもしれません。
    しかしどこまで白くするかコントロールすることができることや、歯を削ることなく白くできることは歯の寿命を守るためにも最大のメリットといえます。

即効性が欲しい方には「オフィスホワイトニング」

歯科医院で施術をすべて行ってくれるホワイトニング法です。高濃度の過酸化水素を歯の表面に塗布し、特殊なライトを当てて歯質を白く漂白します。
1回で白さを実感することができるので、効果をお急ぎの方や日常的に人前に出る機会の多い方などにおすすめです。

メリット

  • 1回の施術で白さを実感できる即効性が期待できる
  •  全ての処置をプロに任せることができるので安心して受けることができる

デメリット

  • 費用が高い
  • 通院して受けなければならない
  • 後戻りがホームホワイトニングに比べて早め

手軽・気軽に始めたい方は「ホームホワイトニング」

すべてのケアを自宅で自身で行うホワイトニング法です。セルフケアということから濃度の薄い過酸化尿素が用いられます。
マウスピースに薬液を塗布し、規定の時間(1~2時間)歯列に嵌めることを毎日繰り返し行います。
毎日継続することで徐々に過酸化物の効果がが現れ、1ヶ月ほどかけながら歯を徐々に白くしていきます。
お急ぎではなく、継続的にケアに取り組める方におすすめの方法です。

メリット

  • 通院しなくてもよいので自分のペースで行える
  • 白さは自身で好みの段階まで継続できる
  • 徐々に白くするため後戻りしにくい

デメリット

  • 毎日継続してケアができないと効果が現れない
  • 白くなるまでに時間がかかる
  • キッドの取り扱いや保管など自己管理が必要となる

安心・安全でマイペースに行いたい方は「デュアルホワイトニング」

歯科医院でホワイトニングに必要な準備(マウスピース作成)や自宅ケア方法のレクチャーなどを受け、施術はホームホワイトニング同様、自身で毎日ケアをおこなう方法です。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの良いところを合わせた方法となっています。

メリット

  • オフィスホワイトニングよりも安価
  • プロのアドバイスを受けることができるので安心
  • 通院回数がすくなくて済む

デメリット

  • ホームホワイトニングよりは高価
  • 白くなるまで時間がかかり即効性は望めない
  • 治療の準備までは通院が必要

ホワイトニング以外に歯を白くする方法はある?

  • クリーニング
  • 歯の表面に、歯ブラシでは落しきれなくなってこびりついた着色汚れや歯石を落とすケア法です。本来の歯の色に導くだけでも白さを実感できるという方もいますので、まずはクリーニングを受けられてからホワイトニングするか検討してもよいと思います。
    着色汚れを浮かせて落ちやすくする薬剤や超音波の器械を用いたりと方法はさまざまですが、歯質を削ったり構造を変化をさせることはありません。

  • ラミネートベニア法
  • ラミネートベニアとは、セラミックやジルコニアといった歯に馴染みやすく虫歯治療の修復材としても用いられる素材を使って、付け爪のように歯の表面に張り付けて好みの白さにする方法です。主に前歯を白くするために用いられます。
    すぐに歯を白くしたい人にはおすすめの方法ですが、一度施術すると選んだ素材の白さからさらに白くすることはできません。
    即効性はありますが、健康な歯の表層を削ることになるため、歯質を失うことで歯がダメージを受ける環境になることは覚悟が必要です。

  • セラミック治療
  • 通常、前歯の治療などで用いられることが多い素材ですが、天然歯の色やツヤの再現性が高く強度もあるため、銀で目立っていた奥歯を白くやり替える方法としても用いられます。
    保険適応外の素材なので、やり替えの際には歯科医院ごとに金額が異なりますので確認しておきましょう。

まとめ

審美歯科は基本的に、公的医療保険の対象外です。
最近では歯のホワイトニングをエステや美容サロンで行っていたり、ホームケア用品がインターネットで購入できたりと、身近なものになってきています。
しかし、本文でもご紹介したように、歯科で行うホワイトニングは厚生労働省が認可した薬剤を用いて歯科医院監修で行いますので、他で受けられるケアとは作用が違います。
また、海外製などは日本で推奨される過酸化物よりも高濃度のものも手に入るため、取り扱いは自己責任となってしまいます。
安価な広告や手軽さで始めてしまうと、歯や歯ぐきににダメージを与えてしまうこともありますので、まずは安心・安全のためにも、歯科医院にご相談いただければと思います。

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