インプラント お悩み

インプラント治療を受ける前に知っておきたい ブリッジ・入れ歯との違い

23.08.27

歯を早期に失ってしまった際そのままにしておくと、歯が動いて歯並びに影響してしまったり、残存歯が虫歯や歯周病になってしまったりと不具合を起こしやすくなってしまいます。そのため、損失した部分を補う治療が必要です。修復方法としては、インプラント以外にブリッジや入れ歯が主な修復方法として挙げられます。
今回は歯を失った時に、どのような修復方法の選択肢があり、どの方法を選ぶのが自身によってベストな方法であるか検討していただけるよう、それぞれの違いやメリットやデメリットなどをご紹介します。

なぜ歯のない場所は修復しなければいけないのか


そもそも、なぜ歯を失った場所はそのままにしていてはいけないのでしょうか。
歯は隙間ができると、隣の歯が倒れてきたり噛み合う歯が伸びてきたりして、全体の噛み合わせのバランスが崩れてきます。咬み合わせが崩れると、食事がし辛くなったり、発音し辛くなるなど、生活に支障をきたす原因になってしまいます。
また、隙間ができることで汚れが残りやすくなり、残存歯が虫歯や歯周病になりやすい環境になれば、他の健康な歯も失うリスクを上げてしまう恐れもあります。
ですか
そのため、隙間を人工的な修復物で補い、機能の回復と維持を行うことが必要になります。

歯を失ってしまった時の修復方法

即日できる治療法
歯を失った部分の修復方法は主に3つあります。一般的に行われることが多いのはブリッジと義歯(入れ歯)です。これら2つは保険適応で行える範囲のものがあります。そして自費治療にはなりますが、天然歯により近い見た目と機能を再現できるとされ、最近選択する人も増えてきているのがインプラントです。

ここでは、それぞれの特徴や適応部位、メリット・デメリットなどをご紹介します

○ブリッジ

ブリッジは、欠損歯の代わりとなる人工の歯を、両隣の歯にかぶせる冠と連結した形でつくったものです。つまり、両隣の歯を土台にして人工歯を支える形になります。
土台にする歯(支台歯)がしっかりしていれば、健康保険の範囲でも大きく連結したものもつくれます。ただし、健康保険に修復物(人工歯)に用いられる素材や支台歯について保険上の制約があり、その範囲でつくることが条件です。また、素材によっても保険適応か自費かに分かれ、保険で白くできるのは前歯~犬歯までで素材も決められています。強度、透明感に優れたポーセレンなどを選択する場合には自費になります。
・メリットとデメリット
複数歯連結することができ、残存歯と連結するのでしっかりと固定されます。固定性なので異物感や噛むときの違和感が少ないです。また、保険適応範囲で作製すれば費用を押さえて修復することができます。
デメリットは、ブリッジと支台歯との境目から細菌が侵入しやすく虫歯のリスクは上がるため、装着後は入念な歯磨きが必要になります。また、人工歯の基底部(歯茎と接している面)は歯の根っこがなく、経年とともに歯茎が痩せると隙間ができることもあるため、歯間ブラシなどの補助具を使用することが必要になります。

○義歯(入れ歯)

義歯は損失した部分の歯冠部分と歯茎への接面をを人工的に再現し、損失部を補う方法です。部分義歯の場合は、両側の残存歯にクランプ(バネ)を掛けて固定し、義歯床(ピンク色の義歯肉)で歯茎との接面に密着させます。義歯も保険適応の素材で作製する場合と、保険適応外の素材で作製することが選択できます。
・メリットとデメリット
基本的に損失した部分だけを補うので、両側にある残存歯を大きく削ることなく、クランプがかかる部分を少し削るだけで修復できます。自身で着脱できるので、外して磨くことができ清潔に管理することができます。またブリッジと同様に、保険適応の素材で作製すれば費用を押さえることができます。
ただ、自身で着脱できることがデメリットになることもあります。紛失や破損はもちろん、着脱を繰り返しによるクランプの緩みや、経年とともに歯茎が痩せて、義歯のぐらつきが起こるたびに調整が必要になります。また、歯茎の上に乗せているだけにはなるので異物感があり、歯の根っこはないので噛み心地が悪くなります。部分入れ歯はクランプが見えるので見た目はよくありません。

○インプラント

インプラントは損失部の下の顎の骨に穴を開け、そこに歯根の代わりになるインプラント体を埋め込みます。そしてインプラント体が顎の骨や周辺組織と結合し安定したら、歯茎より上に人工歯を連結する修復方法です。インプラント治療は保険適応にならないので、費用は全顎自己負担となります。

・メリットとデメリット
インプラントは、損失歯の修復方法の中で一番天然歯の機能性・審美性に近いといわれています。
インプラント体が支えとなり、歯を失う前と同様に噛む力を維持することができますし、咬合圧が顎の骨に届くことで骨の退縮を予防することができます。また、単体で修復できるため、残存歯に頼ることなく継ぎ目もほぼ目立たないので、見た目も美しく仕上げることができます。
デメリットがあるとすれば、費用が高くなることと、インプラントを埋め込む外科手術を伴うことでようか。手術、使用する材料共に全額自己負担になるので、1本でも数十万円単位になります。また、外科手術を受けるにあたって精神的・体力的な負担や、インプラント体が安定するまで人工歯装着ができないため、治療期間も長くなりますので、持病がある方や高齢な方は治療を受けられない場合もあります。

まとめ


歯を何らかの原因で失ってしまった場合は、隙間を補い、嚙み合わせを維持するために人工的に修復する必要があります。修復方法を決めるにあたっては、それぞれのメリット・デメリットを十分に理解し、お口の状態やライフスタイルにもよるので、担当の歯科医師とよく話し合って決めていきましょう。また、取扱い装置も歯科医院ごとに違いがあります。特に自費の材料やインプラントに関しては、どこでも行えるという訳ではない場合も多いので、気になる治療方法がある場合には、受診する歯科医院に取扱いがあるか、事前に確認しておくことをおすすめします。

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