インプラント 基礎知識

歯周病が悪化しないために知っておきたい 進行段階と治療・予防方法

23.07.27

歯周病とは

歯周病の原因となる菌が出す毒素によって、歯を支える歯周組織が炎症を起こすお口の中の病気です。
歯茎の腫れから始まり、歯を内部で支えている歯根膜や歯槽骨も細菌感染を起こすと、出血や排膿を伴います。そして症状が悪化すると歯槽骨が溶け、歯を支えることが難しくなるとグラグラし始め、最悪の場合には抜け落ちてしまいます

気づかないうちに進行してしまう

歯周病は虫歯のように歯の痛むなどの分かりやすい症状がありません。歯茎の腫れや出血が主症状として現れますが、初期段階ではそれらもほとんどわかりません。そのため、症状が悪化して膿が溜まるくらいの状況になって、出血や排膿が気になり受診するという方もいます。初期段階で気づかずに進行しやすいため「サイレントキラー」とも呼ばれる、厄介な病気なのです。

なぜ歯周病は起こるのか

なぜ歯周病は起こるのかを知ることが、予防にもつながりますのでご紹介します。
主に歯周病を引き起こす原因となっているのは、口腔内常在菌のひとつである歯周病原因菌と、歯垢(プラーク)です。歯垢は常在菌が宿巣とする、白くネバネバした汚れの塊です。歯の表面にこびりつき、はじめは歯ブラシでも簡単に取れますが、時間がたってくると、歯ブラシでも簡単には落ちにくくなってきます。歯と歯の隙間や、磨きグセなどから、同じ場所に付いたままの状態が長く続くと、歯垢の中で細菌がどんどん繁殖します。細菌が出す毒素が歯茎に炎症を起こす原因となっているので、歯垢が残っている場所を中心として炎症が始まります。

歯周病の進行段階と治療・予防法

歯科医療では、歯周病の進行段階ごとに適した治療や予防を行っています。そこで、歯周病を5つの段階ごとに解説します。一般的な歯周病の段階や、その対処・治療法などをぜひ知っておかれてください。
また、歯科医院によって治療や予防の方法等特徴が違うこともあるので、受けたい治療などあれば事前に調べて受診するのもおすすめです。重度な症状になってから慌てて受診しては治るまでに時間がかかったり、最悪の場合歯を失うことにもなりかねない病気なので、早い段階で治療・予防していきましょう。

健康な歯茎の状態

・歯周ポケット:1~2mm
・歯茎が引き締しまっていてピンク色。
・歯と歯の間の部分がきれいな三角形の形状をしている

Stage1 歯肉炎

・歯周ポケット:2~3mm
・歯茎に炎症が起こり、少し赤みを帯びる
・歯と歯の間の三角部分が少し丸みを帯びてくる
・歯ブラシやデンタルフロスを充てると軽く出血することもある

<治療方法>
この時期はまだ、歯茎の炎症も軽く、骨の破壊も始まっていないので、適切な対処で完治が期待できます。とはいえ、自己流の歯磨きでは改善が難しいので、歯科医院で適切な指導を受けましょう。

・スケーリング
自分で落とせない汚れ(歯垢や歯石)を、歯科医院で専用の器具や機械を用いて除去します。

・ブラッシング指導を受ける
歯科医院で原因となっている歯垢や歯石がきちんと落とせるような歯磨きの方法を教授しましょう。
この時期は効果的な歯磨きができれば、多くの歯肉炎は治ります。

Stage2 歯周病軽度

・歯周ポケット:3~5mm
・歯茎が腫れて丸みを帯び、出血しやすくなる
・歯周病菌が歯周組織の方まで侵入し歯根にも感染し歯槽骨や歯根膜が破壊され始める

<治療方法>
自身のケアだけでは改善が難しくなります。定期的に受診しながら、歯茎が健康な状態に改善されるような処置を行います。

・スケーリング
歯ブラシで落とすことができなくなった歯石を、機械や器具でしっかりと落とします

・ブラッシング指導
歯茎に炎症があるので、歯茎を傷つけないように且つ治療が効率的に進むよう、適切なブラッシング方法を教授します。

・スケーリングルートプレーニング
歯周ポケット(歯と歯茎の間にある溝)にも歯垢や歯石が溜まっており、歯ブラシでは落としきれないため、専用の機器で丁寧に取り除きます。

Stage3 歯周病中等度

・歯周ポケット:4~7mm
・炎症がさらに広がり、出血だけでなく、排膿することもある
・歯槽骨(歯を支える顎の骨)の破壊が進み、歯が動揺し始める

<治療方法>
歯周ポケットがさらに深くなって、出血や排膿で汚れも見づらく歯磨きしにくくなります。
治療は、Stage2と同様、丁寧なスケーリング、ルートプレーニング、ブラッシング指導を継続して行います。
歯周ポケットが腫れていると1度で全てを取り除くのは難しいため、歯茎の改善とともに取りやすくなる歯石を継続的に除去することが必要になります。

歯周病重度

・歯周ポケット:6mm以上
・炎症が悪化し膿が溜まって歯茎がブヨブヨ、少し触れただけでも出血するようになる
・歯槽骨が半分以上破壊され、歯がグラグラ動揺し抜け落ちてしまうこともある

<治療方法>

治療は、Stage3と同様、丁寧なスケーリング、ルートプレーニング、ブラッシング指導を継続して行います。出血や排膿、動揺なども強く表れていることがほとんどのため、外科的な治療が必要になることもあります。

・歯周外科治療
歯周ポケットがかなり大きくなり、歯周ポケット内にある歯垢や歯石を完全に取り除くのが難しく改善しにくい状態です。そこで、汚れが取りやすく、且つ溜まりにくくなるよう、歯肉を一部切除する歯周外科処置を行うことがあります。

・抜歯
歯周病の重症化で歯槽骨が破壊され、歯茎をケアしても歯を温存しておくことが難しい段階になってしまっている場合は、他の歯への悪影響なども考え、抜歯を行うこともあります。

まとめ


歯周病は症状が軽度な段階で治療を始めれば、簡単な治療で治せますし、進行を予防することもできます。症状が進行すればするほど、歯科医院で継続したケアを行うことが必要となって受診回数も増えますし、治りも悪くなってしまいます。
歯周病は何も症状がなくても定期的なメインテナンスをお勧めします。定期検診を受けてプロによるクリーニングやブラッシング指導を受けることで安定した健康な口腔環境を維持することにつながります。
歯茎に炎症を感じたら、痛みがなくても早めに受診し、適切な治療や予防指導を受けましょう。

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