矯正 お悩み

マウスピース矯正がしたい! 治療できない症例はある?

23.05.29

透明で目立ちにくく食事や歯磨きの時には外せる手軽さから、最近人気のマウスピース矯正。しかし、歯並びの状態によっては適応できない場合もあります。
そこで今回は、マウスピース矯正では難しいと言われる理由についてご紹介します。歯科矯正で装置はマウスピース矯正をご検討されているという方は、ぜひ参考にされてください。

マウスピース矯正できないといわれるケースとは


マウスピース矯正ができないと診断される理由としてよくある例をご紹介します。
対応策を講じれば出来る場合もありますが、様々な要素が関係するため、できるという判断が難しい場合も、少なからずあるようです。当てはまることがあれば、まずは歯科医院で相談しましょう。

骨格が関係する不正歯列の場合

上あごや下あごが大きく前に出ている出っ歯や受け口といわれる歯並びは、歯の並びだけの問題でなく骨格の形状が大きく関係して歯並びが乱れていることがあります。この場合はマウスピース矯正で歯列を整えるだけでは改善が難しいと診断されることがあります。

・対策
骨格の歪みが大きい場合には、外科手術を組み合わせて矯正治療を行う方法があります。一般的な矯正歯科では診断や治療を行っていない場合もあります。必要かどうかの診断・治療は、矯正治療の専門性が高い歯科医院や大学病院で診断してもらいましょう。

重度の不正歯列の場合

歯並びの乱れ具合が「重度」と診断されるような歯並びの場合、歯を大きく動かしたり、
複雑な動きを必要とすることがあります。
マウスピース矯正は歯に圧力をかけて並びを揃えることは得意な装置ですが、大きな移動や細かな調整までは難しいことがあります。その場合、マウスピースだけでは理想の歯並びと噛み合わせにするのは難しいと診断されることがあります。

・対策
初めからブラケットワイヤー矯正で治療を行うか、難しい動きの時期はワイヤー矯正を行い、その後
マウスピース矯正を行う「コンビネーション矯正」をおこなうこともあります。

複数のインプラント治療を行っている

インプラント治療は、損失歯の修復方法のひとつです。入れ歯やブリッジとは異なり、顎の骨に「フィクスチャー」というインプラント体を埋め込み、人工的に歯根を再現します。
歯科矯正治療では、歯を動かしたい方法へ圧力をかけることで、周辺の歯根膜や歯槽骨(顎の骨)を吸収・再生を行いながら移動させます。しかしインプラントは、人工的な歯根のためその作用が働かず動かすことができません。特に複数本埋まっている場合には、マウスピース矯正だけでなく、矯正治療自体難しい症例となるでしょう。

・対策
複数のインプラントが入っている場合、矯正治療はできないため、残った天然歯はセラミックなどの被せ物で形態を調整して歯並びが整って見えるよう修復する方法もあります。

重度の歯周病を起こしている

歯周病とは、口腔内に棲む原因菌が出す毒ぞで歯茎が炎症を起こす病気です。進行すると歯茎の炎症も大きく広がり、出血や排膿するようになります。そして歯根まで感染してしまうと、歯を支える顎の骨(歯槽骨)も溶かしてしまい、歯を支えられなくなって抜け落ちてしまうこともあるのです。
矯正治療は、歯を動かす際に周辺組織や歯槽骨の吸収や再生を繰り返します。重度の歯周病の場合、すでに周辺組織は炎症を起こし、支える骨も破壊されてしまっているため、歯を安定して動かすことができません。そのため、歯科矯正治療自体行うことが難しいと診断されます。

・対策
軽度の(初期)段階であれば、歯周病治療を行い、症状が落ち着いてから矯正治療を行うことができる場合もあります。歯周病は日々の歯磨きが重要なポイントになるので、矯正治療をお考えの場合は事前に歯科医院で歯周病チェックやクリーニングなど受けて、口腔内環境を整えておくことをお勧めします。

まだ永久歯が生えそろっていない

乳歯の場合や、乳歯と永久歯が混在している時期は、マウスピース矯正できないことがあります。
お子さんの歯科矯正は、歯の生え変わりや顎の成長があるため、マウスピースで歯並びを整えるというよりも、顎の成長を正しく成長できるように手助けする装置が用いられます。

・対策
小児矯正の中にもマウスピースタイプのものもありますが、これは顎の成長を促す効果と、歯並びに影響する悪習癖を改善するためのものです。顎の成長が落ち着き、全体的に永久歯に生えそろった時期から「動的治療」としてのマウスピースを行うことになります。

マウスピース矯正ができないと言われたら


先に解説したそれぞれの対策を講じて、矯正治療をおこなうことも出来ますが、もしもカウンセリングを受けた歯科医院で「マウスピース矯正できない」と言われても、すぐに諦めることはありません。
矯正治療は歯科医師よって、治療の方針や取り扱っている矯正装置も違いがあります。また、経験や実績によって歯科医師の技術も異なるため、歯科医師の判断にも差があります。そのため、ある医院で「できない」と診断されても、別の医院では「できる」と診断されることもあります。
もちろん、行うことのメリット・デメリットがありますので、それぞれの説明をしっかり確認し、より最適な方法を選択することをお勧めします。

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