歯科コンテンツ
CONTENTS
審美歯科は高いの? 審美歯科の定義と費用について
23.04.29
審美歯科と聞くと「治療費が高い」というイメージの方も多いのではないでしょうか?
保険適応外の治療や処置になることが多いため、確かに高額になりやすい傾向がありますが、必ずしも審美歯科だからといって保険外診療というわけではありません。
今回は審美歯科の定義について詳しく解説しながら、審美歯科の費用面に関してお話ししたいと思います。
審美歯科の定義とは?
審美歯科は、一般的な歯科治療とは視点が少し異なります。
歯やお口の病気を「治す」というだけでなく、「審美性」にも配慮した歯科治療のことです。
人工歯と気づかれにくい、天然歯により近く再現された被せ物や入れ歯、艶やかに美しい歯、ハリのある若々しい歯ぐきといったように、お口全体の審美的なお悩み解消も行うのが『審美歯科』です。
審美歯科は高額なの?
必ずしも審美歯科の全てが保険外治療というわけではなく、保険適応の材料を用いてお悩みを解消することができる場合もあります。
例えば、歯石や色素沈着している歯を、スケーリングやクリーニングしたりする場合は保険適応範囲でもできますし、歯科用プラスチックの「レジン」を用いて歯の色に近い状態にできるのえあれば、これも見た目が美しくなるという観点から行くと「審美歯科」といえます。
ただし、クリーニングの中でも保険の範囲内でできない薬剤や機器を用いる方法であれば保険外として費用設定されていることもありますし、レジンでは色のバリエーションが決まっているため、思ったように修復できないこともあります。
より歯質に近い再現性を求めるのであれば保険外の材料で治療を。ということになります。そうなれば必然的に費用が上がることになります。
保険外の場合は歯科医院が費用を設定できるので、医院ごとに費用が異なります。完全保険外診療の医院は全額自己負担となるので「高額になりやすい」と考えておいてもよいかもしれません。医院によっては完全に保険外診療の医院もあります。
審美歯科の種類
よく「審美歯科」として標ぼうされている医院で行われている治療をご紹介します。
ただし、すべての治療やケアが導入されている医院ばかりではありませんので、希望する治療やケアがある場合には、事前に確認して受診しましょう。
前歯の被せもの
前歯は会話や食事の際に一番目立つので、銀製のもので修復することはありません。
保険適応のものもありますが、厚生労働省認可の素材は決められているため、色の種類が多くありません。より天然歯に近い透明感とツヤ、残存歯と酷似した人工歯に仕上げるために、保険適応外の材料で作製できます。
セラミック、ジルコニアなど生体親和性のある素材を用いる事が多いです。
奥歯の被せもの
奥歯は見えにくい部分であることと、噛む力の負担が大きくかかることから、保険適応の場合は銀歯になることがほとんどです。
ただ、金属アレルギーや経年劣化による歯ぐきの変色、見た目の問題などを懸念される場合、保険適応外を選択することができます。
素材は前歯と同じくセラミックやジルコニアといった生体親和性のある素材を用います。フルクラウンにする場合と、銀製の土台に表層だけに用いるものもあります。
インプラント
歯を失った場合の修復物として、保険適応であればブリッジか入れ歯で修復します。これらは見た目にも目立ちますし、健康な歯を削る必要があるなど、残存歯へのダメージも考えられます。
インプラントは保険適応外です。人工的な歯根「インプラント」を埋め込み、そこに人工歯を連結させるので、見た目にも機能的にも天然歯に近く再現する事ができます。
歯科矯正治療
歯並びと噛み合わせを正しい位置に整える治療で、昨今多くの方が矯正治療を受けるようになってきましたが、ほとんどの症例が「審美性」とされ保険適応外になります。中には、先天的に喪失歯が6本以上ある場合や、顎変形症、唇顎口蓋裂といった病気から起こる不正歯列の矯正治療と診断された場合には、保険適応できる場合があります。
ホワイトニング(クリーニング)
歯に付いた色素やタバコのヤニなどは、歯の表面のクリーニングで綺麗にできますが、それ以上は白くなりません。歯科医院で行うホワイトニングは、本来生まれ持った歯の色よりもさらに白くする事ができます。専用のホワイトニング剤(過酸化水素)を用いて、歯の「脱色」を行うもので、歯科医院でしか行うことはできず保険外診療になります。
ラミネートベニア
ホワイトニングは定期的に行わないと後戻りしてしまいます。また、1回では完全に好みの白さにならないこともあります。
即効的に理想の歯の色にするために行うのが「ラミネートベニア」です。歯の表層を薄く削り、付け爪のように薄い人工歯を貼り付けます。この方法も審美性重視の治療となるため保険適応外です。
歯ぐきのケア
歯だけでなく、最近では健康的な歯ぐきへ再生することも若々しさや見た目の美しさとし「審美歯科」の領域として行う医院もあります。歯ぐきのメラニン色素沈着を除去する「ガムピーリング」や、笑った時に目立つ「ガミースマイル」と言われている目立つ歯ぐきに行う「ボトックス注射」などがあります。これらも保険適応はありません。
まとめ
審美歯科は「審美目的の治療」という定義で、保険適応の材料や装置を使って審美性を上げる治療や処置もあります。しかし、ほとんどが「より美しく」という内容のものですので、保険適応外の素材や治療となります。ですので、おのずと費用は高くなると考えておいた方がよいでしょう。