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歯列矯正中の「食事」に関する不安を解消するための注意点
21.06.25
歯列矯正といえば「食事はどうなるの?」と気になる方もいらっしゃると思います。歯の表面を装置で覆っていますから、付けていない時と比べると、確かに気を付けることは生じます。
また、矯正期間中は「痛みで食事できない」なんてことも耳にするので不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、皆さまに安心して食生活をおくっていただけるよう、歯列矯正中の食事に関する注意点をご紹介します。
装置別に気を付けることや、痛みがある時の対処法などまとめていますので、ぜひ参考にご覧ください。
歯列矯正中に気を付ける食べ物とは?
すべての装置を通して、「装置に負荷がかかる」ことは控えていただきたいと思います。
特に非可撤式のブラケットとワイヤーを用いたラビアル矯正は、装置を付けたまま食事をするため、特に注意が必要です。
マウスピース矯正の場合は、忘れず取り外して食べるようにしましょう。
- 硬い食べ物はできるだけ避ける
- 装置に引っ掛かりやすいもの
- 装置にくっつきやすいもの
- 裏側(リンガル)矯正の注意点
- マウスピース矯正の注意点
- 歯列矯正の「痛み」ななぜ起こる?
- どれくらい続くの?
- 痛い期間の食事の工夫
装置に当たって変形したり外れる原因となるような硬い食べ物はできるだけ控えましょう。
また噛みしめる際に強い力が必要な食べ物も、装置を付けてすぐは痛みの原因になってしまいます。
装置が壊れると、お口の中を傷つけたり、歯への正しい強制力が働かず、治療が進まない原因になってしまいます。
<例>
フランスパン、せんべい、りんご、塊の肉(ステーキや骨付きチキンなど)、スルメイカなど
ラビアル矯正の場合、装置に引っ掛かったり挟まったりしやすい繊維質のものは、食べても構いませんが注意が必要です。
装置に絡みついたり挟まったまま取れにくく、外食時など行き届いた歯磨きができそうにないときは注文を控えたほうがベターです。
できるだけ細長いものは避け、普段よりも細かく刻むなと、調理法を工夫してみましょう。
<例>
ネギ、ニラ、えのき、水菜、春雨、糸こんにゃく、細い麺類、肉の繊維など
くっつきやすくベタベタとした食べ物は、装置にこびりついて取れにくくなってしまいますし、ラビアル矯正の場合、装置が外れる原因になってしまいますので控えましょう。
マウスピースを外し忘れて食べてしまった場合も、装置にこびりついてなかなか落ちにくくなってしまいます。
<例>
アメ、チューイングガム、ソフトキャンディ、キャラメル、ヌガー入りの菓子類、お餅など
ラビアル矯正の中でも、装置を歯の裏側に装着する「裏側(リンガル)矯正」は、装置がお口の内側に付いているので、表側矯正よりも食事しづらいと感じる方も多いようです。
装置が直接見えにくいので、繊維質のものが挟まると、なかなか取れづらくお掃除もしにくいです。
また、変形や破損を起こすと、舌に当たって損傷など起こしやすいので注意しましょう。
マウスピース矯正は食事の際に外すことができますので、絡んだりくっついたりといった不具合を起こす心配はありません。
ですが、目立たない装置ゆえに、誤って外さないで食べてしまうと、熱い飲食物んいよる破損や変形、コーヒーやワイン、ミートソースやカレーなどの色素による着色などを起こす原因となってしまいますので、必ず外して食事しましょう。
また、食後歯磨きをしてから再度マウスピースを装着することも大切です。汚れたままマウスピースを再度装着してしまうと、歯と装置の間が不衛生になってしまい、虫歯や歯周病の原因になってしまいます。
歯列矯正で起こる「痛み」と食事の関係
歯列矯正を行うと、装置や個々の感じ方によって差はありますが、少なからず「痛み」や「違和感」を感じる方が多いです。
特に食事中は歯と歯で食べ物を咀嚼しますので「痛み」に直結します。
とはいえ、矯正中ずっと続くわけでも、柔らかいものしか食べられないわけではありませんのでご安心ください。
ここでは、痛みの原因やおおよその継続期間、食事の工夫などをご紹介したいと思います。
歯列矯正で痛みを伴う一番の原因は、歯に圧力をかけて動かす治療だからです。
最も圧力がかかるのは、初めて矯正装置を付けた時や調整(または交換)してすぐの時期で、噛みしめた際に歯が浮いた感じやキリキリと締め付けられるような圧迫痛、ちょっとむず痒い違和感程度と、感じ方はさまざまです。
歯に圧力がかかると、歯を支えている歯周組織に負荷がかかります。組織がとても敏感になっているため、食事で咬合圧がかかったり、何かの表紙に上下の歯が当たると、その衝撃で痛みを感じてしまうのです。
歯が正しい位置に移動してしまったら圧力をかけることは必要なくなりますので、矯正治療が進むにつれて、調整や交換後すぐに感じる痛みの度合も軽くなっていく傾向にありますのでご安心ください。
装置の違いや感じ方の違いなどによる個人差はありますが、装置を付けてすぐと定期的な調整が行われてすぐ(マウスピースの場合は交換してすぐ)から約1週間程度という方が多いようです。
痛いと言っても「ズキン」という刺激痛ではなく、主に食事中の咀嚼時のように、歯を噛みしめた際に歯が浮いたような鈍い痛みを感じます。日に日に感じ方が軽減されますが、次の調整(交換)があると、再び痛む時期を迎えるということを繰り返します。歯並びがある程度整って、歯の移動が少なくなれば、調整後の痛みも少なくなります。
装置を付けてすぐや調整後すぐの痛みピーク時には、思ったように咀嚼することがむずかしくなりま
す。その時期には、ヨーグルトやゼリー、プリン、スムージーなど、あまり咀嚼しないでも食べられ
るものがよいでしょう。徐々に豆腐やおかゆ、リゾット、柔らかく煮込んだスープなども食べられる
ようになり、うどん、卵料理、ハンバーグといった柔らかめの食事というように、段階的に普通の食
事が採れるようになります。
無理に噛むと痛みを増長させてしまうので、ご自身の痛みに合わせて、無理のない食事を行うように
しましょう。
まとめ
食事は歯と歯を噛み合わせますから、どんなに気を付けても矯正治療期間中の食事の際は痛みを感じてしまうと思います。
とはいえ、装置を付けている間ずっと続くわけではありません。
一時的なもので徐々に解消されますし、矯正が進めば調整・交換後すぐの痛みも軽減していきます。
何よりも、だんだん歯が動いて綺麗に整ってくる過程を日々目にしていると、「歯並びが綺麗になるから治療期間中の一時的な歯の痛みは我慢できる」という意見もよく頂きます。
もしもご心配な点があれば、治療開始前にかかりつけ歯科医に相談して解消しておきましょう!