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矯正治療を受ける前に知っておきたい 歯並びが悪い原因って何?!.
21.05.30
歯並びに関して、コンプレックスを感じていらっしゃる方が増えています。ひと昔前は子どもが行う治療として認知されていた矯正治療ですが、最近では大人の方のご希望が増えている傾向です。
「歯並びが悪い」と一口に言っても、その症状はさまざまですし、歯並びが悪い原因も色々な要素によって起こります。
そこで疑問なのが、「そもそも、歯並びはなぜ悪くなってしまうのか」ということです。
今回はその原因を知っていただき、ご自身の歯並びと併せて参考にしていただければと思います。
歯並びが悪くなってしまう原因とは?!
歯並びが悪くなる原因はいくつかありますが、大きな理由としては、成長段階での不具合や生
活習慣の中の悪習癖、お口の管理不足などが大きく関係しています。それぞれ細かく解説していきましょう。
- 顎の成長が狭いために起こるスペース不足によるもの
- 生活習慣の中で起こる悪習癖によるもの
- 虫歯などお口の不具合の管理不足によるもの
- 虫歯や歯周病になりやすい
- 顎関節症や頭痛・肩こりを起こすことがある
- 口呼吸の原因になることがある
- 姿勢が悪くなる
- 消化不良の原因になることもある
- 見た目のコンプレックス
生まれてすぐから、赤ちゃんは「母乳を飲む」というお口の運動を開始します。
この、舌で上あごに乳首を当てて飲む「吸啜(きゅうてつ)運動」から始まり、離乳食に至るまでに「噛む」という運動や、お口周辺の筋肉を動かす運動によって顎が成長していきます。
現代人の食事はファーストフードや冷凍食品など便利になりましたが、やわらかい食事が多く噛む回数はどんどん減少傾向です。そのため、顎の成長が弱くなりがちで、顎が狭く歯が並びきれずに歯並びが悪くなってしまいます。
お口周辺に関係する慢性的な「癖」がある場合、外的要因として歯並びが悪くなる原因になることがあります。
例えば、指しゃぶりを長く続けている場合です。指で上あごを前に押し出す力がかかるため出っ歯になりやすくなりますし、舌を前に出す癖(ろう舌癖)や、爪咬みなども長く続けていると、上下の歯を咬み合わせたときに隙間ができてしまう「開咬(かいこう)」という歯並びになることがあります。
また、頬杖をついて本を読んだりテレビを見たりする癖があると、頬杖をつく方側の顎が歪んでしまったり、横向きにテレビを見ながら食事することで片方の顎ばかり使って咀嚼していると、片側の顎だけが発達してしまい、顎の左右差が起こったりする原因にもなります。
虫歯や歯周病進行しても放置してしまっている場合や、歯が抜けてもそのままにしてしまっている場合、できてしまった隙間に両隣の歯が移動してしまいます。これは交換期のお子さまだけに起こることではなく、大人になって永久歯が生えそろった後でも歯並びは動いてしまいます。
歯は上下左右で噛み合う歯と位置が決まっており、正しい位置で噛み合っていることでその機能を発揮します。ですから、一見歯並びがきれいに見える人でも「実は奥歯のかみ合わせがズレている」といった不具合がある方もいらっしゃいます。
定期的に歯科検診を受ける習慣がない場合や、不具合に気づきながらも、歯医者嫌いから通院しなかった場合など、お口の管理を怠ることで歯並びに影響してしまうこともあるのです。
歯並びが悪いことで起こる不具合について
歯並びが悪いままでいると、お口だけでなく身体にさまざまな悪影響を及ぼしてしまうことがあります。
歯並びが悪いことで起こる可能性のある不具合についてご紹介しますので、参考にされてください。
もしも思い当たる症状がある方は、もしかすると歯並びの悪さが原因かもしれません。
歯並びが悪く歯が重なっていたり、歯列からはみ出している部分は歯ブラシが届きにくく、歯垢や歯石が付きやすくなります。いつも同じところに汚れが残ってしまいがちになるので、虫歯や歯周病を起こしやすくなります。
歯並びが悪いということは、かみ合わせにもズレが生じます。毎日噛んでいると慣れが生じて気づきにくいのですが
実は強く当たっている部分とそうでない部分が出たりすることがあり、一部に過度の負担がかかることもあります。
かみ合わせのバランスが悪くなり、顎に負担がかかって顎関節症や頭痛、肩こりなどの原因となることも考えられます。
出っ歯で口が閉じにくくなったり開咬で日常的に隙間がある場合。また、お口周辺の筋肉が弱く、常にお口が開いた状態の方は、自然な呼吸が鼻からではなく口呼吸になりやすくなります。
歯並びは口がしっかり閉じていることと、舌が上あごに引き上げられていることで歯列が保たれますので、口呼吸をしているとお口が緩み、顎が前に突出しやすくなり、出っ歯になりやすくなります。
歯並びの乱れからかみ合わせのバランスも崩れてしまうと、全身のバランスにも影響を及ぼすことがあります。
猫背や、肩の高さの左右差などの症状がある場合は要注意です。身体のバランスを崩すと血行不良からの肩こりや腰痛を起こしたりすることもあります。
歯並びや咬み合わせが悪いと、噛み切る、すり潰す、砕くといった歯の機能が上手に行えません。
食材がしっかり咀嚼されないまま飲み込んでしまうと、消化不良を起こして胃に負担がかかりやすくなります。
歯並びの悪さは見た目のコンプレックスにもつながります。歯を見せることに抵抗があると自然に笑うことができず口元を覆ってしまったり、うつむきがちになる方もいて、内向的になってしまう場合も考えられます。
歯並びが遺伝することはある?
歯並びが悪くなるのは「遺伝」や「生まれつき」ということはほとんどありません。
生まれてからの食事や生活習慣といったさまざまな要素から、顎の成長の弱さやあごの成長に影響を与える癖なども影響してそれぞれの歯並びが形成されていきます。
遺伝で歯並びが似るというよりは、親御さんと同じものを食べ、同じ環境で生活していることから、似たような骨格を形成することは考えられます。よく親御さんが「虫歯のできやすいのは遺伝」や「歯並びや骨格が似ている」という観点は、生活習慣を気を付ければ改善できるポイントです。
まとめ
歯並びが悪くなるのは「遺伝」や「生まれつき」ということはほとんどありません。生まれてからの食事や生活習慣といったさまざまな要素から、顎の成長の弱さやあごの成長に影響を与える癖なども影響してそれぞれの歯並びが形成されていきます。
矯正治療で歯並びだけを整えるだけでなく、「なぜ歯並びが悪くなってしまったのか」その原因を明確にした対処を行わないと、せっかくきれいに整えた歯並びが後戻りするかもしれません。
まずは生活の中で、歯並びに悪影響となっていることはないか考えてみましょう。
そして矯正治療を受けつつ、お口のケアについてのアドバイスを受けたり、継続して定期検診を受けるなどしながら、お口の環境を保つことも大切です。