矯正 お悩み

治療期間が短く費用が安いといわれる「セラミック矯正」の特徴を知りたい!

21.04.20

矯正治療は、一般的に装置を付けて数年かけてゆっくり歯並びを整えていきます。
そのため完了するまでにかかる期間が長く、装置を付けることに抵抗がある方は矯正治療に踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
セラミック矯正は、矯正装置を付けずに歯並びを整える方法で「クイック矯正」とも呼ばれています。
今回はそんなセラミック矯正の特徴を詳しくご紹介したいと思います。矯正治療を検討されている方は、ぜひ参考にされてみてください。

セラミック矯正の特徴を知りましょう

セラミック矯正は「矯正」とはいうものの、矯正歯科とな別の領域になります。
正確には、一般的なむし歯治療などの被せ物として使われている「セラミック」という素
材で作られた修復物を用いて複数本の歯をまとめて並びを整える方法で、審美歯科の領域
です。

  1. どんな歯並びでもOK?
  2. 残念ながらどんな歯並びでもセラミックで治せるというわけではありません。
    骨格性でない軽度な出っ歯やすきっ歯、八重歯、軽度な重なりの乱ぐい歯などはセラミック矯正で整えることができます。
    どの程度まで治せるかは歯科医師の診査が必要になりますので、気になる場合はまず相談してみましょう。

  3. どうやって歯並びを整えるの?
  4. 一般的な矯正治療は、ご自身の歯の表面に装置を取り付けるか、もしくはマウスピースをはめて、歯に力を加えて、歯の根っこから動かします。
    これに対しセラミック矯正は歯自体を動かすのではありません。歯の外回りを削ったり土台を付けたりして、その上からセラミックを歯に被せて歯並びを整えるという方法です。

    セラミック矯正の流れ

    セラミック矯正は被せ物の治療と同じくらいの期間でおこなうことができます。
    どのようにして歯並びを整えるのか、詳しい流れをご紹介します。

    1. 歯の調整
    2. 歯並びを整えるために必要な形に歯を削る必要があるため、症例によっては歯の根っこを取る「根管治療」が必要になる場合もあります。
      その際には先に根っこの治療からおこないます。神経の壊死や腐敗がある場合の根管治療とは違い、約2、3回の洗浄と消毒で終わ
      ることがほとんどです。

    3. 支台歯の形成
    4. セラミックを被せるための土台作りで「支台歯」と呼ばれます。
      もしも根管治療をしている場合には、神経が入っていた空洞にピンなど補強を入れることもあります。
      歯茎よりも上に出ている部分の歯を削って土台にしますが、この際の土台の向きを調整することで、セラミックを被せた際に歯並びが揃うように調整するのです。

    5. 歯型採り
    6. 土台が完成したら歯型を採ります。そして、歯型から作製した模型上でセラミッククラウンを作成します。

    7. セラミックの装着
    8. セラミッククラウンが完成したら、土台に装着して完了です。治療期間は症例によりますが、おおよそ2~3カ月で終わります。

      セラミック矯正のメリット

      長い期間を要する矯正治療と比べて、セラミック矯正にすることでどんなメリットがあるのかご紹介します。

      1. 治療期間が大幅に短い
      2. 一般的なブラケットやワイヤーを用いた矯正治療や、インビザラインなどのマウスピース矯正は、根っこから歯そのものを動かすため1ヶ月に数ミリずつしか動かすことができません。
        そこで必然的に年単位での治療期間が必要となります。しかしセラミック矯正は先ほどご紹介したように治療期間がわずか2~3ヶ月で済むことが多く、大幅に短い期間で歯並びを整えることができます。
        就職面接や結婚式を控えているなど、1日でも早く歯並びを整えたいという方にはおすすめです。

      3. 装置を取り付けなくてよい
      4. セラミック矯正は矯正装置を一切使いません。ですから、矯正期間中の見た目が気になるといった期間もありませんので、仕事や学校で気になるといったリスクなしで歯並びを整えることができます。

        矯正治療は根っこから歯を動かすため、装置の調整後しばらくは歯の周辺組織が刺激を受けて痛みを感じることが多いです。その点セラミック矯正は歯の根っこは動かさないので、鈍い痛みがしばらく続くようなことはありません。

        矯正治療など審美性を重視するような治療に関しては、保険適応外となっています。セラミック矯正も保険適応外ですが、治療期間が短いことで通院関数が少なく済むということもあり、装置の料金を合わせても矯正治療より治療費を抑えることができます。

        通常矯正治療は自身の歯を動かすため、歯の色までは調整できません。もしも歯の色が気になっている場合には、矯正装置撤去後にホワイトニングをおこなうなど、さらに治療期間が必要です。
        セラミック矯正は被せ物を作る際にセラミックの色を選ぶことができるため、装着時に歯の色も同時に好みの色にすることができます。

        セラミック矯正のデメリット

        メリットだけを聞くと「早くて安く歯並びがきれいになるならセラミック矯正」と思うかもしれませんが、セラミック矯正をすることでデメリットとなる点も考慮する必要があります。セラミック矯正のデメリットも知ったうえで、セラミックにするか、矯正治療を受けるか考えてみましょう。

        1. 健康な歯を犠牲にしなければならない
        2. これが一番のデメリットと言っても過言ではありません。
          どんなに優秀な素材を用いても、天然歯に勝る素材はありません。また、一度削った歯質は元に戻すことはできません。
          その貴重な歯質を削って被せ物をするのですから、歯がダメージを受けやすい状態にしてしまうことになることは覚悟の上で治療を受けなければなりません。

        3. 虫歯や歯周病のリスクは高くなる
        4. セラミックを被せるということは、どんなに丁寧に作成されている修復物でも、歯冠と歯根の部分に段差ができてしまいます。そこに汚れが溜まりやすくなったり、最近が侵入しやすくなり、虫歯や歯周病になりやすくなることもあります。
          内部は歯質を削っていますので、歯はダメージを受けやすくなってしまいます。
          最悪の場合、保存することが難しくなるケースもあるため、治療後は治療前よりもしっかりメンテナンスする必要があります。

        5. 「作り替え」が必要になることもある
        6. セラミックは修復材の中では丈夫で天然歯に近い素材と言われていますので、メンテナンスをしっかり行っていれば10~20年寿命があるとされる素材です。
          しかし人工物ですから、破損やひび割れなどを起こす可能性もあります。
          作り替えが必要になった場合には、再度同じステップで作製する必要があり、外した際に土台の修復のために再度削ることもあり得ます。また、同じ工程であれば同じ費用がかかることもあります。

          まとめ

          セラミック矯正は治療期間が短く済み、費用も矯正治療より安価で済みます。
          しかしその反面、歯並びを整えるために本来削る必要のない歯を削ったり、神経を抜く治療を要したりするため、「矯正」という名称が付いてはいますが「修理」といったほうが近いでしょう。
          選択する際にはしっかりデメリットも考慮した上で選んで頂きたいと思います。

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