インプラント お悩み

インプラント治療を受けたい! 治療に適さない人はいるの?

21.03.20

インプラント治療は見た目も機能性も天然歯により近いといわれる修復方法です。
歯を失ってしまった場合の修復方法として選択肢のひとつとなりますが、この治療が適さない人もいます。
その理由や、どのようにすれば治療できるようになるのかなど、詳しくご紹介します。
インプラント治療をお考えの方はぜひ参考にご覧ください。

インプラント治療に適さない人はどんな人?

インプラントが他の修復方法との決定的な違いは「土台を顎の骨に埋め込むための外科手術必要になる」という点です。
入れ歯やブリッジは、歯茎から上の部分を人工歯で修復しますが、インプラントは失った歯根の役割を持つフィクスチャーという人工歯根を埋め込むことで強度や機能性を保つのです。
そこでインプラント治療が適さない人を大きなくくりで言うとすれば『インプラント埋入手術が受けられない人』ということになるでしょう。
では、どんな人がインプラント埋入手術を受けられないのでしょうか?

  1. 顎の骨が不足している人
  2. インプラントの土台は歯茎の下にある顎の骨に穴を開けて埋め込みます。
    そこで、土台を支えることができるだけの厚みと高さ、密度がしっかりしている健康な顎の骨でなければ埋入手術を受けることができません。

  3. 歯周病に罹患している
  4. 歯を失ってしまった理由が歯周病の悪化が原因だったという人は少なくありません。
    歯周病に罹患したの口腔内環境のままインプラント治療を行うと「インプラント周囲炎」というインプラントの歯周病を発症するリスクが高いため、そのままの状態でインプラント内乳手術を受けることができません。

  5. 喫煙中の人
  6. 喫煙を日常的に行う習慣がある方はインプラント治療をすぐに開始することができません。
    喫煙は血管を収縮させる作用があるため、血流を悪くした理免疫力を低下させてしまいます。
    このことがインプラント埋入後の傷口の治りやインプラントと顎の骨との結合を阻害することになってしまうため、禁煙してからでないとインプラント治療を行うことができないのです。

  7. 妊娠中の人
  8. 妊娠中の方は必ずというわけではありませんが、インプラント治療は推奨されません。
    インプラント治療は外科手術が必要になるため麻酔下で治療が行われます。
    また、治療時間も長時間仰向けの状態で手術を受けますので、母体を第一に考えると、妊娠中は避けた方がよいと考えられるためです。

    インプラントできない年齢はある?

    インプラント治療を受けるにあたり「適さない人」として年齢に制限はありませんが、推奨される年齢の目安はあります。
    これも先ほどご紹介した「顎の骨が健康であること」が大きく関わっていますので、目安にされてみてください。

    1. 20歳以下はインプラント治療は推奨できません
    2. 顎の骨は生まれてから20歳頃まで成長を続けています。歯並びが顎の成長に伴って動くのはそのためです。
      成長期にインプラントを埋め込んでしまうと、インプラントは顎の骨と直接結合するため、一度埋めると場所が固定されてしまいます。
      周囲の天然歯は顎の成長とともに動くことから歯並びに悪影響を及ぼす危険性があり、インプラント治療は適さないと判断されます。

    3. 高齢者がインプラントできないと聞いたのですが?
    4. インプラント治療は年齢の上限はありません。高齢の人でも顎の骨が健康でインプラントを埋入するだけの厚みや高さ、密度があれば手術することができます。
      高齢者がインプラントできない事例が多いのは、経年と共に顎の骨が痩せて薄くなっていたり密度が少ない(骨粗しょう症)場合や、歯周病が進行している場合が多いためです。
      また、糖尿病や心臓病といった持病を持ちの場合などそもそも外科手術を受けることができない人や、体力的に手術に耐えられないといった人はインプラントに適さない人と判断されることが多いでしょう。

      インプラント治療が適した人になるにはどうしたらいい?

      もしも現状が「インプラント治療に適さない人」であったとしても、状況が改善されればインプラント治療を受けることができるようになる人もたくさんいらっしゃいます。
      次に、インプラント治療が適さないとされた人がどうしたら治療を受けられるようになるのか、症状別に解説したいと思います。

      1. 顎の骨を増やす処置を先に受ける
      2. 顎の骨が不足している人は、そのまま埋め込んでもインプラントと結合して支えることが
        できません。そこでインプラントの土台を埋め込む前に、造骨や人工骨の移植手術を行う
        ことでインプラント治療を受けることが可能になります。方法として、顎の骨を増やす増
        骨や、人工骨を埋め込む手術などがあります。

      3. 歯周病をしっかり治療する
      4. 歯周病に罹っている人は、しっかり治療をおこなってから土台を埋め込む手術を行います。
        歯周病から歯を失った場合、口腔環境として歯周病菌が活動しやすい環境が考えられるため、そのまま埋入してしまうと手術中にインプラントが細菌感染する恐れもあります。
        また術後にインプラントが歯周病に罹ってしまう「インプラント周囲炎」を起こしやすくなり、せっかく埋めたインプラントが顎の骨と結合しにくくなったり、顎の骨が破壊されてインプラントを支えきれなくなり脱落するといった事例もあるためです。

      5. 治療期間は必ず禁煙を守る
      6. 喫煙習慣がある人に急な禁煙をお願いしても、すぐに辞められないという人も多いと思います。
        インプラント治療をお考えになる場合、できるだけ早めに禁煙を開始し、治療が完了するまで継続するようにしましょう。
        手術が終わっても、インプラントが顎の骨と結合するための期間やその後の安定するまでの期間を考えると、1年くらいはかかります。

      7. 産後の落ち着いた時期に受けましょう
      8. 妊娠中にインプラントをしたことで母体に影響があるかどうかは実証できないことではありますが、インプラント治療には事前の精密な検査や、麻酔、外科手術といったように「妊婦ができるだけ避けた方がよい処置」ばかりです。
        また、インプラント治療は土台埋入から上部構造がセットされるまで長期的な治療になることが多いのですが、産後子育ての
        忙しい時期に通院できなくなることも予測されます。
        できるだけ妊娠中は避け、妊娠前もしくは産後余裕のある時期に受けることをおすすめします。

        まとめ

        インプラントが適さない人の目安はありますが、これは「現状のままではインプラント埋入手術ができない」という意味です。大多数の人が、症状が改善されればインプラント治療をうけることができるようになります。
        将来的に食事をおいしくいただくことができ健康的に過ごせるメリットを考え、インプラント治療に興味がある方は、まずは歯科医院に相談してみましょう。

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