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気になる年齢制限 高齢者は何歳まで矯正歯科を受けられるの?
21.01.19
昨今歯並びに審美性を求める方が増え、大人の矯正希望者が増えています。整った歯並びや噛み合わせは見た目だけでなく虫歯や歯周病の予防にもつながり、如いては歯の寿命を保つことにもつながります。そこで今回、高齢者の方でも歯列矯正できるのかということにスポットを当ててご紹介したいと思います。「何歳くらいまで矯正できるの?」「歯が無くても大丈夫?」とさまざまな状況の方にぜひ参考にご覧いただければと思います。
高齢者でも矯正治療は可能です!
少し前まで「矯正歯科」といえば、子どもの歯並びを治すというイメージがある治療だったと思います。ですが、大人の方が審美的に歯並びを整えたり、噛み合わせを整えて歯の寿命を保つために取り組まれるという方が増えています。
また、歯が無い部分がある方や支える顎の骨が少ない方に対しての治療法も開発され、少し前までは「できない」と判断されていた状況の方も治療を受けられるようになって来ています。対象年齢も幅広くなり、以前は難しいと言われていた高齢の方も対応できるようになってきているのです。
矯正治療を受けられるのはどんな高齢者?
昨今では20代以上の成人が矯正治療を受ける割合が4割に増えました。また、歯列矯正を受ける成人の年齢の割合では、2割が50代以上のシニア世代となってきています。
〇年齢制限はあるの?
矯正治療に年齢制限はありません。
歯の健康状態が良好で、支えている顎の骨がしっかりしている状況にあれば、基本的に年齢制限はなく受けていただくことができます。
〇高齢者が矯正できないといわれる理由は?
できるといっても、高齢者が矯正できないといわれることが多いのも事実です。これは、上の項でもお話ししたように、あくまでも歯の健康状態が良好であり、支える顎の骨がしっかりしていること。といった口腔内環境が整っていることが条件だからです。
また、矯正期間中は通常とは違う歯磨き法や歯ブラシを使ったり、虫歯や歯周病にならないようにケアを矯正前よりも念入りにおこなわなければならないことや、月に1回のペースでの調整や定期検診なども必要となります。長い期間の治療と通院を伴うため、生活環境や体力的な問題をクリアできるかどうかも関係するのです。健康面、生活環境など問題なければ、高齢者であっても問題なく矯正治療を受けていただけます。
これからの時代は高齢者も矯正治療で若々しく!
矯正治療は単に歯並びを整えるだけではありません。見た目はもちろん、身体にもよい効果をもたらすメリットがたくさんあります。そこで、高齢者が矯正治療をすることで得られる可能性があるメリットをいくつかご紹介したいと思います。
- 見た目の悩みを解消できる
- 顔貌が若返る
- 活舌がよくなる
- 消化が良くなる
- 身体の不調が緩和されることもある
- 歯の寿命が長くなる
年齢を重ねると、口元の締まりが緩くなったり歯茎が下がったりすることで歯が見えやすくなります。以前は気にならなかった重なり部分や歯のすき間などが目立ちやすくなることもあり、老けた口元の印象を際立たせてしまうこともあるのです。
矯正治療で歯並びが整うとこのような悩みが解消され、口元が今よりも若々しくなります。
歯列矯正で噛み合わせが整うとお口の機能が効率的に働きます。左右の筋肉のバランスも良くなるため動かしやすくなりほうれい線やたるみの解消につながるため、今よりも口元が若返るという効果を感じる方もいらっしゃいます。また、顔の歪みが整い、左右対称のバランスのよいお顔だちになるという例もあります。
不正咬合があると息が漏れたり舌が動かしにくくなり、サ行やラ行が出しにくいといった活舌の悪さを感じる方もいます。特に年齢を重ねると舌の動きが悪くなり喉の方へ沈下する傾向にあるため、余計に活舌が悪くなりがちです。矯正治療でこれらの原因が解消されれば、現状よりも活舌が良くなることが予測されます。会話の楽しみも増え、お友達とのおでかけや交流が楽しくなったという方も多くいらっしゃいます。
歯並びが悪いと噛み合わせのズレがあることが多く、十分に噛み砕いて飲み込むことができません。さらに年齢を重ねると唾液の分泌が減少し舌の動きも鈍くなることから、余計に飲み込めない方も増えてしまいます。
矯正治療でしっかり噛むことができるようになると、現状よりも十分な咀嚼につながります。食事が美味しく感じるようになったり、胃腸への負担を軽減することにもつながるので、健康維持にも良い効果が期待できます。
先ほどもご紹介したように、不正歯列はお口周辺の筋肉をバランス良く使うことができません。そこで筋肉の左右差が生じ、一部の筋肉や顎の骨などに過度の負担がかかってしまうことがあります。それらが影響して頭痛や肩こり、自律神経に悪影響を及ぼす要因になるとも考えられているのです。そこで矯正治療で噛み合わせのバランスが整うと、身体の不調症状が改善されたという例もあります。
高齢になると歯を失う原因として「歯周病の悪化」が原因という割合が高くなります。さらに歯並びが悪いという環境が加わると、歯周病リスク自体が歯並びが良い人に比べて高くなるため重症化して歯を失うリスクも高くなってしまいます。
歯並びが整えば歯磨きもしやすくなるため、不正歯列の時よりも歯周病のリスクを低くすることができます。歯を失うリスクが下がれば、高齢になっても自分の歯で過ごすことができ、美味しく食事を摂ることができます。
歯がない部分があっても矯正治療は可能?
高齢者が矯正治療を行うにあたり、若者に比べれば条件が難しくなることは確かに考えられます。そこでどのような治療方法が考えられるのかご紹介します。
〇一般歯科治療との併用治療
高齢者の場合、虫歯治療のための補綴物や多かったり、事前に歯周病ケアが必要なケースも多くあります。現在入っている補綴物の調整や歯周病治療も併せて行えるよう、一般歯科の分野も取り扱っている歯科医院での矯正治療がおすすめです。
〇インプラント併用の矯正治療
歯を失っている部分がある場合には、インプラント治療をふまえた矯正治療が行える歯科医院がおすすめです。抜けている部分によってはスペースを活用できる場合があったり、インプラントを支点とすることで効果的に他の歯を動かす方法もあります。インプラントが持つメリットと融合することで効率的に歯並びを整えることができますので、歯がない部分があったとしても諦めず、まずは相談してみましょう!
まとめ
近年矯正方法も多様化し、以前の目立つ金属ブラケットとワイヤーでおこなう方法だけでなく、目立たない透明や白の装置、裏側に装置を付ける方法、マウスピースの圧力で動かす方法など矯正法も進化し、大人も矯正治療を取り入れやすくなっています。
高齢者社会となっている日本では、いつまでも若々しく健康に生活していただくためにも、高齢者の方でも歯列矯正に挑戦していただきたいと思います。
そのためにもまずはお口の健康状態が良好であることが大切。気になる方はまずかかりつけの歯科医院にご相談されてみてくださいね。