インプラント お悩み

インプラントは外科治療 知っておきたい術後の注意点とは

20.11.25

インプラントはまず、土台となるインプラント体(フィクスチャー)を顎の骨に埋め込む手術が必要な治療です。外科手術を伴うため術後に注意が必要なことがあります。
そこで、インプラントの外科手術を受けた後の注意点をまとめてみました。事前に知っておくことで、治療に備えることができますので、ぜひ参考にご覧ください。

他の治療に比べて術後の注意点が多いのはなぜ?

インプラント体を埋め込む手術は、術後しっかりケアとメンテナンスを行う必要があります。なぜなら、歯茎の切開や顎の骨に穴を開ける処置を行っており、その傷が健康に治ることも、インプラントを成功させるために必要だからです。
また、インプラント体が顎の骨としっかり結合し、上部構造を支えられるようになるためにも、術後の期間はとても大切なのです。
この期間のケアを怠ると、インプラントや周辺組織に不具合を起こしてしまう要因になることもありますので、術後の注意点はしっかり守っていただきたいと思います。

外科手術直後の注意点

まずは外科手術を受けた当日~1週間程度の注意点をご紹介します。
術後直ぐはさまざまな不具合のリスクを伴いますので、この期間注意点をしっかり守っていただくことが、インプラントの成功を左右することもあります。正しい知識を事前に知っておくことが大切です。

  • 激しい運動を控えましょう
  • 術後2~3日間は激しい運動は控えていただきます。
    特に激しく体を動かすような運動は血流を促し、術部からの出血が止まりにくくなったり、痛みや腫れの原因になります。
    また、身体疲労は傷口の治りを遅らせる要因になってしまうので、術後2~3日は安静にお過ごしいただくのがよいでしょう。
    手術翌日からお仕事をしていただくことは可能ですが、体力仕事だと思われる方は事前に担当歯科医師に相談しておきましょう。

  • 食事は柔らかいもの中心に
  • 食事は手術当日からお召し上がりいただけます。
    ただし、手術で麻酔を使っており、噛む感覚が鈍いまま食事をすると、粘膜を傷つけることがありますので、麻酔が切れてから食事を行ってください。
    術後数日間は傷口に負担がかからないようにおかゆやスープ、ゼリー、ヨーグルトなど柔らかいもの中心に食べましょう。しばらく傷口と反対側の歯で噛むことを意識しておいてください。
    固いもの、香辛料などの刺激の強いもの、酸味の強いものなどの刺激物、アルコール類は、傷口の治りを阻害してしまうので控えておきましょう。

  • 湯船に浸からないようにしましょう
  • 術後当日お風呂で湯船に長時間浸かることは、運動と同様に血流を促進して止血を阻害したり、痛みや腫れを起こす可能性がありますので控えましょう。
    とはいえ入浴出来ないというわけではありません。タオルで身体を拭いたり、シャワー浴を短時間といったように、身体が温まり過ぎないように身体を洗うことは可能です。

  • 歯磨きは傷口に当たらないように行いましょう
  • 歯磨きは通常通り行いましょう。口腔内が不衛生になると、傷口から細菌感染するリスクもあります。
    ただし傷口を毛先で刺激してしまうと、血餅を剥がしてしまい傷口の治りが遅くなってしまうため、傷口に当たらないように磨いてください。
    歯ブラシの毛先をソフトタイプにし、優しい力で歯面だけを磨くように意識して磨きましょう。

  • 傷口を触らないようにしましょう
  • 術後すぐは傷口付近に縫合糸があったり、傷口に血餅ができ始めたりと気になるかもしれませんが、絶対に指や舌先、歯ブラシやつまようじなどで触らないようにしましょう。
    傷口の治りを送らせてしまったり、細菌感染の原因になることがあります。
    どうしても気になることがある場合は、歯科医院にご相談ください。

  • 処方された薬は用法・容量を守って飲みましょう
  • 術後、内服薬として抗生剤や痛み止めが処方されます。抗生剤は細菌感染を予防するためのものですので、指示された日数・回数分、しっかり飲み切りましょう。また、痛み止めなど症状があるときだけ飲む薬もありますので、用法・容量はしっかりかくにんしておきましょう。

術後、次の受診まで気を付けること

インプラント埋め込み後、お口の状況によって個人差はありますが、3~6カ月程度安静期間を設けます。この間、術後の腫れや痛みは1週間から10日程度で落ち着きますが、そこから継続して注意しておくべきことをご紹介します。
事前に歯科医師から伝えられますので、しっかり注意しておきましょう。

  • 日常のオーラルケアはしっかりとおこないましょう
  • インプラントが顎の骨としっかり結合したあとで人工歯を装着しますが、口腔内が不衛生で歯周病を発症しているような状況では装着ができません。
    また、埋め込み手術をした部分の歯茎が炎症を起こすと、インプラント体の結合を阻害してしまうこともあります。
    口腔環境を清潔に保つためにも、日常的なホームケアをしっかりおこなうことが大切です。

  • 術後も継続して禁煙が必要です
  • インプラント治療に関しての注意点として、事前に禁煙が必要であることを聞かれると思います。これは術後も継続して禁煙を行っていただきます。
    タバコに含まれる成分が歯茎の毛細血管を収縮させ、血行が悪くなってしまいます。これにより傷口の治りが悪くなったり、インプラント体が骨と結合するのを阻害する因子になることがあるためです。

  • 歯ぎしりや食いしばりがある場合には歯科医師に相談を!
  • もともと歯ぎしりや食いしばりグセのある方はもちろん、術後、創部を意識してしまうがために歯ぎしりや食いしばりをするようになったという方もいるようです。
    歯ぎしりや食いしばりは術部に大きな負荷がかかってしまいます。これによりインプラント体にも負荷がかかり、インプラント体が安定しないといった不具合を起こすことがあります。
    もしも歯ぎしりや食いしばりが気になる方は、できるだけ早く担当の歯科医師にご相談ください。

まとめ

インプラントの外科手術後はさまざまな注意点が必要になります。
なぜなら、インプラントは術後のアフターケア次第で、寿命を長く保てるかどうかを左右するといっても過言ではないからです。
術後の注意点を怠ると、せっかく受けた治療の成功率を下げることにもなりかねません。術後はしっかり注意点を確認し、インプラントを健康に保てるようにしましょう。

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