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奥歯をインプラントにしたい! 治療のメリット・デメリットをご紹介
20.11.18
「奥歯をインプラントで修復する必要性はあるのか」と思う方はいませんか?インプラントは天然歯により近い欠損部の修復方法と言われていますので、前歯の修復方法として考える方が多いかも知れません。そこで今回は、奥歯にインプラント治療を行う際のメリットやデメリット、施術できないケースや注意点について詳しくご紹介したいと思います。
欠損した奥歯の修復方法をご検討の方は、ぜひ参考にご覧ください。
奥歯をインプラント治療することのメリット
奥歯を失った場合によく見られるのが、両側の歯を支えにして連結した装置で補うブリッジや、喪失部を補う人工歯を金属バネで隣の歯に固定する部分入れ歯といった修復方法です。そこで、修復方法に奥歯にインプラントを使うことでどんなメリットがあるのでしょうか?
インプラントを用いて修復することで得られるメリットを3つご紹介します。
- メリット1.噛む機能の回復
- メリット2.他の歯へ負担がかからない
- メリット3.痛みや不具合を起こしにくい
インプラントはブリッジや入れ歯に比べ、天然歯に最も近いと言われています。
人工歯根を顎の骨に埋め込み、歯の根っこが行っていた役割を再現するため、天然歯の噛み心地に最も近い咀嚼力を回復することができるからです。
奥歯は食物を噛む時いちばん圧力を受ける歯ですが、インプラントは人工歯根でしっかり支えることができます。噛み心地も天然歯に近く、経年による装置の不具合も起こしにくいメリットがあります。
インプラントは他の健康な歯への負担は一切ありません。
たとえば、ブリッジで修復する場合には喪失部の両側の歯を削って連結する装置を作り、入れ歯は隣の歯にバネをかけて固定するため、咬合圧がかかります。
そのため、健康な歯への負担が大きくなり、その歯も不具合を起こすことになる場合もあります。
インプラントは喪失した部分のみを修復することで、他の歯を健康に保つことにもつながるのです。
インプラントは噛むことによってズレや不具合を起こしにくい装置です。
奥歯は前歯よりも咬合圧が大きくかかるため、経年によりブリッジや入れ歯に不具合が起こることもあり、それによって痛みを感じることもあります。その都度来院して装置を調整したり、作り直しが必要になることもあるでしょう。
インプラントは正しくメンテナンスしていれば不具合を起こしにくい装置ですので、不具合のたびに調整したり作り替えをしなくて済みます。
奥歯をインプラント治療することでのデメリット
では次に、インプラントのデメリットもご紹介しておきます。
機能的には他の修復方法に比べてメリットの多い装置ですが、患者さまの感じ方によっては「デメリット」と感じる部分になり得ることもあると思います。
奥歯をインプラントすることで考えられるデメリットは以下の3つです。
- デメリット1.治療費が全額自己負担
- デメリット2.治療期間が長い
- デメリット3.定期的な通院が必要になる
インプラントは自費治療のため、治療費は高額になります。
治療費が高額になる要因としては、インプラントを支える土台のインプラント体に、身体との適合性が高い「チタン」を使っているためです。
中には安いインプラントもありますが、合金などを使っている場合、身体と適合しなかったり、金属アレルギーを発症する可能性も考えると、材料もしっかり安全なものを使っている医院で治療を受けることをおすすめします。
インプラントは終了までの治療期間が長いと感じる人もいます。
まず、インプラント体を埋め込む手術をした後、顎の骨と結合して安定するまでの期間を3~6ヶ月ほと置くことが多く、その後人工歯を装着するので半年~1年くらいかかることが多いのです。
インプラントは治療後、定期的に歯科医院でのメンテナンスが必要です。
装置が丈夫だとはいえ、メンテナンスを怠って歯周病を発症すれば、インプラントが細菌感染を起こして脱落してしまう可能性もあるのです。
インプラントを健康で長持ちさせるには、定期的に歯科医院で不具合がないかチェックしたり、お口の環境を整えるクリーニングを受けることが大切なのです。
継続的に歯科医院に通院することを億劫に感じる方には向かないかもしれません。
奥歯をインプラントで修復できないケースはある?
奥歯のインプラントは場合によってはできないケースもあります。
どのような状況のときにできないのかご紹介しますので、ご自身の状況と照らし合わせて参考にされてください。
- 顎の骨が薄い
- インプラントの結合を阻害する持病を持っている
顎の骨が薄い場合は、インプラントの施術ができません。
インプラントを埋め込むには、骨にそれなりの厚みと丈夫さが必要です。
そもそも、歯周病で歯を失った方は溶けて薄くなっていたり、脆くなっていることが多く、インプラント体を支えることができないので、埋め込む手術ができないのです。
インプラントが顎の骨と結合することを阻害してしまうであろう病気を抱えている場合、施術できないと判断されることがあります。
例えば心臓病や糖尿病など、観血的な手術に耐え得ると判断されない場合や骨が脆くなる骨粗しょう症の方などは、施術できない可能性が高くなります。
奥歯のインプラントを受けるための注意点
最後に、奥歯のインプラントを受ける際の注意点をご紹介します。
修復方法としては丈夫な装置ですが、注意を怠ると失敗に繋がることもあるため、注意点はしっかり理解して治療を受けましょう。
- オーラルケアがとても重要です!
- 喫煙・飲酒が辞められない方も気を付けて
インプラントは人工物とはいえ、周辺組織も健康に維持できなければ長持ちしません。
治療が終わったからとケアを怠れば、周辺の歯茎やインプラントを支える組織が病気になってしまいます。これを「インプラント周囲炎」といい、インプラント脱落の大きな要因です。
喫煙や飲酒は、治療期間に控えていただくよう、歯科医師より注意があります。
しかしどうしても止められない方は、これらがインプラントと骨の結合を阻害する因子となるため、健康であったとしても施術できないと判断される場合があります。
また、治療前は辞めていたのに「少しなら」と再開されてしまうと、治療がなかなか進まない要因にもなるので注意が必要です。
まとめ
奥歯をインプラント治療することは、噛み心地の回復や他の歯への負担を軽減するためにも有効的な治療法です。とはいえせっかく治療が成功しても、長持ちさせられるかどうかは患者様自身にかかっています。
日々のセルフケアや、定期的なプロフェッショナルケアを継続し、インプラントを永く健康に保てるようにしましょう。