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気になる「審美歯科」とは? 費用ってどうなってるの?
20.09.29
最近よく耳にすることの増えた「審美歯科」をご存知ですか?
審美=見た目という意味で、見た目を美しくする専門の治療が今注目されています。
通常の治療との違いや保険は適用なのかなど、みなさんが気になりそうなことを開設したいと思います。ぜひ参考にお読みください。
審美歯科とは?
日本審美歯科協会によると、一般的に審美歯科とは歯や口元の「美しさ」に焦点を当てた総合的な歯科治療のこと
と提唱されています。
本来、歯科治療には「虫歯や歯周病を治す」という困りごとに対する処置であること。
また、「よく噛めるようにする」といった機能面の回復のような治療が挙げられます。
そして、「形がきれいで白い歯にする」ことや「歯並びを美しく整える」といった審美性の改善のための治療があります。
これまではこのようにジャンル別で行われてきた歯科治療ですが、昨今この両方を満たす治療として、審美歯科が注目され始めました。
審美歯科の気になる費用について
審美歯科として施術が行われるものに関しては、「保険適応外」で費用請求されるのが一般的となっています。
これは、保険制度が病気やケガの治療に対して適応されるという基準があり、審美性をより高める目的や、今よりも機能性をよくするためといった治療は適応外となるためです。
そこで、審美歯科の治療費は、それぞれの歯科医院が自費診療として金額を設定しています。
■治療費の目安はあるの?
通う医院によって治療費は異なりますが、大幅に安すぎたり高すぎたりといった差はあまりないと思われます。
もしも比較して治療費が安いと感じても、保証内容や含まれる治療の範囲が少ないなど、何らかの安価な要因があるはずです。
安易に「安いから」だけで決めるのではなく
- どんな治療をおこなうのか
- 材料や薬剤はどんなものを使うのか
- 保証期間や内容はどうなっているのか
など、各医院を比較して選ぶようにしましょう。
どんな治療があるの?
では具体的に、審美歯科とはどんな治療なのでしょうか。
よくある治療と比べてみて、今後治療を受ける際の参考にしていただければと思います。
■オールセラミッククラウン(1本約30~40万円)
オールセラミッククラウンとは、大きな虫歯の治療の際におこないます。
これまで銀歯や一部のみセラミックで後は銀製のかぶせ物だった修復物を、すべて「セラミック」という陶材でできた被せ物にする修復方法です。
- メリット
- デメリット
保険治療で使われているレジンという歯の色に似たプラスチック素材のものや、金属を用いた修復物はどうしても「見た目」で天然歯との違和感が生じます。
また、経年と共に劣化は避けられず、変色や破損、接着部の歪なども起こりやすくなります。
オールセラミックで仕上げれば、天然歯により近い再現性や耐久性で、適切メンテナンスを行えば、長期間使うことができます。
もしも金属アレルギーをお持ちの方にも安心ですし、銀のイオン溶出の心配も無いので、歯ぐきの変色なども起こりません。
しいてデメリットをあげるとすれば、「値段が高い」ということです。
すべてセラミックで製作するので、どの修復方法よりも金額は高くなります。
■ラミネートベニア(1本約10万円)
ラミネートベニアは歯の表面を薄く削り、薄いセラミックでできた人工歯を表面に張り付ける方法です。
付け爪をイメージしていただくと分かりやすいと思います。
素材はセラミックを使用するため美しく自然で、天然歯と並んでも違和感を感じにくい素材です。
- メリット
- デメリット
ホワイトニングで効果が出にくい歯(神経の無い歯やテトラサイクリンで変色した歯など)の色調整のために活用できます。
また、歯並びのわずかなすき間や凹凸部を整える場合にも活用でき、歯列矯正するよりも短期間で歯並びを整えたいという場合に用いることもあります。
天然歯の表面を削ることになるので、虫歯になっていない歯でも削らなくてはなりません。
また、歯質が薄くなればそれだけ神経に近くなるため、メンテナンスを怠ると2次的な虫歯の悪化が早くなることもあります。
■メタルボンド(約7万円~15万円)
メタルボンドは全部冠であるクラウンと呼ばれる修復物のひとつで、金属冠の表面にセラミックを焼き付けて作る修復物の技法です。
- メリット
- デメリット
虫歯の治療で歯質を大きく削った場合に全体に被せ物をします。
奥歯は見えにくいので、保険適応であれば全部金属で作られたクラウンが主流ですが、大きく口を開けた時にはかなり目立ってしまいます。
そこで、メタルボンドであれば、内部は金属でできているため耐久性が高く、且つ表面はセラミックなので、全部金属のクラウンに比べて目立ちにくい特徴があります。
表面上の見た目は目立ちにくくなりますが、内部に銀が使われているので、見た目の完成度はオールセラミックには劣ります。
また経年とともに、歯ぐきが痩せれば金属部が露出することも考えられますし、金属イオンの溶出により、周囲の歯ぐきが変色して黒ずんでしまうこともあります。
そして、金属アレルギーをお持ちの方は反応してしまう可能性があるので使用できません。
■ホワイトニング
ホワイトニングは、歯の色を本来の白さよりも白く美しくする方法です。
ラミネートベニアのように歯を削ることは無く、自身の歯質を特別な薬液を用いて構造変化させて白くします。
- メリット
- デメリット
歯科医院でおこなっているオフィスホワイトニングや、歯科医院から購入したキットで行うホームホワイトニングであれば、過酸化物を用いたホワイトニングです。
コーヒーやワインなどの趣向品で沈着したガンコな着色なども落とすことができ、さらに本来自分の歯質よりも白くすることも可能です。
歯の構造を薬剤で変化させて白く見せるので、時間が経つと徐々に本来の色に戻ります。
白さをキープしたい場合には、定期的にリタッチする必要があります。
■クリーニング
歯科医師や歯科衛生士によって歯の表面に沈着した歯石や汚れなどを落とす処置です
- メリット
- デメリット
専用の器械を用いて、歯磨きでは落としきれなくなった汚れを細かく清掃することで、歯が本来のツヤと白さを取り戻します。
白さには限度があり、より白い歯を追求する場合は、ホワイトニングを行う必要があります。
まとめ
審美歯科というと、大人が見た目の改善としておこなうイメージがあるかもしれません。
ですが、日本審美歯科協会が提唱する審美歯科は「幼年期から青年期、老年期にかけ、その年代にふさわしい口元の健康美を求めるもの」という指針があります。
虫歯を取り除けばいい、噛めればいい、といった治療だけでなく、同じ治療するなら見た目もきれいになる方法を提案する歯科医院が増えてきていると考えられます。
審美歯科が気になるという方は、金額も含めてぜひ検討してみてはいかがでしょうか?