インプラント お悩み

矯正歯科医院を選ぶポイント「インプラント専門医」とは?

22.11.27

インプラント治療をお考えの方の中には「どんな歯科医院を選んだらよいか分からない」と、治療に踏み切れずにいる方もいらっしゃると思います。インプラント治療は歯科医院であればどこでも導入できる治療ではありますが、専門性の高い治療ですので、より信頼のおける歯科医師にお願いしたいと思うのではないでしょうか。そこで今回「日本口腔インプラント専門医」という歯科医師のインプラント治療に関する資格についてご紹介します。医院選びの参考に是非お読みください。

インプラント専門医とは

歯科医師は歯科大学等で学び、歯科医師免許の国家資格を保有しています。ただし全般的な歯科医療を学ぶため、歯列矯正やインプラントといった専門性の高い治療を行うためには、さらに学びを深める必要があります。
インプラントに関しては「日本口腔インプラント学会」が、口腔インプラント学に関わる幅広い知識と高度な専門技術を有する歯科医師の養成を行っており、歯科医師に関しては「専門医」「専修医」といった認定資格を設けています。認定に際しては、一定の認定条件をクリアしている歯科医師にしか与えられない称号です。

認定医の治療を受けるメリット

認定医は学会に会員登録しているからといって与えられる資格というわけではありません。正会員歴5年以上であり、インプラントにおける高度な知識と技術を要し、認定資格条件を満たした上で「専門医試験」をパスした歯科医師にしか与えられない称号です。
インプラント治療は、顎の骨を削る外科処置が必要であったり、肉眼では確認できない内部組織に装置を埋入するなど、とても緻密で高度な技術が必要な治療です。また、保険適応になることはほとんどない治療ですから費用も高額になります。
そう考えると、より信頼のおける歯科医師に治療をお願いすることの安心材料として目安となる資格と言えるのではないでしょうか。

インプラント認定医の仕組み


インプラント認定歯科医師としての照明として、日本口腔インプラント学会が設けた厳しい基準をクリアした歯科医師に与えられるのが「専門医」「専修医」といった資格です。その要件についてご紹介します。

インプラント専門医

「インプラント専門医」は、専修医よりも上級の資格です。専修医認定にもクリアしなけれなならない条件はありますが、専門医に比べると、比較的クリアしやすい条件となっています。しかし専門医は、より多くの厳しい条件をクリアしている歯科医師にしか与えられません。
また、資格を取得した年から5年ごとに「学会及び研修会への出席・口腔インプラントに関する業績の80単位以上の取得、指定研修施設在籍証明書、症例報告(指導医氏名、検印必要) 3 症例」の条件全てを満たした上で、5年ごとに更新手続きをすることが必要ですので、資格を長年維持している歯科医師は常にインプラント治療への研鑽を積んでいる歯科医師と言えます。

日本口腔インプラント学会専門医の資格取得条件

専門医の資格を取得するためには、以下のような厳しい条件があります。

・日本国の歯科医師免許を保有しており、日本歯科医師会の会員である
・「日本口腔インプラント学会」に5年以上継続して正会員であり、研修施設に通算で5年以上在籍している
・「専門医教育講座」を3回以上受講し、日本口腔インプラント学会の主催する学術大会及び支部学術大会に8回以上参加経験がある
・専門医制度施行細則に定められている所定の研修を終了しており、且つ定められたインプラント治療の経験がある
・口腔インプラント指導医2名(そのうち1名は施設長)の推薦が必要
・ケースプレゼンテーション試験に合格し、学会主催学術大会又は支部学術大会において2回以上研究発表を行っている
・口腔インプラントに関する論文を日本口腔インプラント学会の学会誌、もしくは委員会が認める外国紙に1冊以上発表の掲載がある
・日本口腔インプラント学会の委員会が申請資格を有すると認めた者

※日本口腔インプラント学会の専門医制度規程「第8条申請資格」より抜粋し要約

なぜインプラントは「専門医」がよいのか


インプラントは虫歯治療と違い、肉眼で直視できない領域の治療です。顎の骨に穴をあけて、支えとなるインプラントを埋入する外科的な手術が必要です。そのため、事前検査や治療計画のために必要な設備はもちろんですが、顎の骨や周辺組織を傷つけることなく安全に治療する高度な技術を要します。ですから、費用が安い、症例数が多いといった数字だけで医院を選ぶのではなく、いかに安心・安全に治療してくれる歯科医師であるかが重要なポイントです。その目安として「専門医」の称号を持っているということは、少なくとも先にご紹介したような難しい条件をクリアしているわけですから、高度な知識と技術を持った歯科医師であるという目安になります。

失敗しないインプラント治療を受けるために

インプラント治療は、顎の骨にインプラント体を埋入してから、一般的に3~6カ月ほどで周辺組織と結合します。しかしいつまでたってもグラグラしていたり、歯ぐきの腫れや痛みが治まらない場合は、内部でインプラントが不具合を起こしていることが考えられます。安定しない場合はインプラントを撤去しなければならなくなることもあるのです。
その原因の一つとして、埋入手術時の失敗があります。これまでに起こったことのある事例には以下のようなものがあります。

・手術中に細菌感染してしまい内部で炎症が起こってしまった
・インプラント体の埋入角度を誤り、顎の骨を貫通してしまっていた
・顎の骨を切削する際に火傷を起こしているのを気づかないまま埋入した
・インプラントの先端が神経接触している

このような失敗が起こってしまうと、痛みや腫れがさらにひどくなる、神経の麻痺を起こしてしまうなどの症状が起こります。インプラントを撤去することになった方もいますので、医院選びは慎重に行っていただきたいと思います。

まとめ

インプラント認定医は歯科医師であれば誰でも取得できる資格ではありません。厳しい条件をクリアしているインプラントについて専門性の高い歯科医師でなければ認定されない資格です。ですから、高度な知識と技術の歯科医師を探すための目安になるといえます。
残念ながら、歯科医師の経験不足や事前診査不足、技術不足などから起こったと考えられるため、豊富な知識・技術・経験を持った歯科医師から治療を受けたいと考えたとき「専門医」を目安に探されるのも、失敗しないインプラント治療のためにひとつの安全措置となるのではないでしょうか。

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