矯正 お悩み

矯正治療をすると活舌が悪くなるって本当⁉ 影響がない矯正方法はある?

22.01.29

矯正治療を始めるにあたって、ご心配ごとのひとつとして「活舌が悪くなるのでは?」というお悩みを耳にすることがあります。治療ではお口の中に装置が入るため、違和感や不便に感じることもあると思います。
特に成人矯正の方は人前で話す機会も多く「仕事に支障があるのでは」とご心配はごもっともです。そこで今回は、矯正治療による活舌への影響についてまとめました。矯正治療をご検討中の方はぜひ参考にしていただければと思います。

矯正治療は「活舌」に影響する?

お口の中はとても敏感です。歯に食べ物が挟まったとき、言いようのない違和感が続くことがあると思います。矯正装置はいくつか種類があり、治療法によって感じ方に差はあるものの、お口の中にこれまで無かった異物が入るのですから、違和感を感じて当然だと思います。そして、それが顕著に感じられるのが「活舌」です。

発音しづらくなる

人間が言葉を話すためには、舌の動きが大きく関係しています。
日々、無意識に当たり前のように会話していますが、口を動かせば頬や口唇が伸びたり縮んだりしますし、舌も複雑な動きをして、いろいろな言葉を発しているのです。
矯正装置が入ることで、これまでの動きや舌の当たる位置が変わるだけでも、発音はしにくく感じる方が多いと思います。特に装置を入れたばかりのころは発音のしずらさを感じるのではないでしょうか。

自然と違和感を感じにくくなります

とはいえ、装置による違和感や活舌の悪さは一時的なことが多く、徐々に慣れて話しやすくなります。
お口の中は敏感で違和感も感じやすいのですが、順応性も良く、気が付いたころには粘膜や舌の動きは装置があることに慣れて使えるようになるのです。
ただ、歯が動いている期間は、一時的に空気が漏れやすくなったり、装置に当たることで、聞いている側はこもって聞こえたり、口に飴玉を含んでいるような不自然な話し方に聞こえることもあるようです。

矯正装置による違和感の違いは?

矯正治療のための装置にはいくつか種類があります。大きく分けると2つあり、1つはブラケットという装置をワイヤーで連結して動かす「ラビアル矯正」で、もう1つはマウスピースをそうちゃくして圧力をかける「マウスピース矯正」です。
ラビアル矯正はさらに歯の表面に付ける表側矯正と、歯の裏側に付ける裏側(リンガル)矯正があり、装置が目立つ上顎のみ裏側に付けるハーフリンガル矯正もあります。
それぞれの装置ごとの特徴や感じる違和感などをご紹介します。

表側矯正

最も一般的な矯正方法です。歯の表面にブラケットという小さな装置を1本1本取り付け、それらをワイヤーで連結し、動かしたい位置に引っ張る力を加えて歯並びを正しい位置に整えていきます。
この装置は固定式で、矯正治療が終了するまで取り外すことができません
<メリット>
比較的どのような症例でも幅広く対応可能な方法です。取り外しできませんが、日々の清掃以外は自身で管理することはありません。また、最近では金属装置ではなく、透明や白のブラケット、ホワイトワイヤーを取り扱う医院も増えており、金属装置よりも目立ちにくく治療することが可能です。舌には当たらないので、比較的発音への影響は少ない方法です。
<デメリット>
一番のデメリットは装置が目立つことです。人前に出ることが多い方は目立ちにくい装置を選択されるか、裏側やマウスピースがおすすめです。また、装置の形状が複雑で食物や歯垢が溜まりやすいので、虫歯や歯周病のリスクは高くなってしまいます。装置管理は必要ありませんが、日々のブラッシング等、衛生管理は必須となります。

裏側矯正

表側強制と同様に、ブラケットとワイヤーの力を利用して歯を動かす方法ですが、装置全体を歯の裏側に装着して行います。
<メリット>
一番のメリットは「矯正治療中であることに気づかれにくい」ということです。表側矯正と比べて装置が見えないため、人前に出ることが多い方や、矯正治療をしていることを他の人に知られたくないという方におすすめです。
<デメリット>
取り付けに高度な技術を必要とするため、費用は矯正治療の中でも相場は一番高額です。
また、歯の裏に装置があるため舌に当たり、発音や活舌には一番影響が出やすい方法です。
反対咬合や交差咬合などで下の歯の裏側に上の歯が当たっているといったような不正歯列を矯正する場合は、装置に歯が当たり取れやすいために装着できない歯並びの方もいらっしゃいます。

マウスピース矯正

透明で薄い素材でできたマウスピースを歯列全体に装着して行う矯正治療です。歯並びが整う経緯を事前にシュミレーションしで作製されたマウスピースを定期的に交換しながら、歯を動かしたい方向へ少しずつ圧力をかけて動かす方法です。
<メリット>
歯全体を覆いますが、透明で薄い素材なので目立ちにくい装置です。また、取り外し可能なので、食事や歯磨きもしやすいです。
<デメリット>
可撤式であるメリットがある半面、外している時間が長いと思ったように歯が動かなかったり、装置の破損や紛失を起こすことがあり、自己管理がとても重要です。また、歯を全体的に覆うため、粘膜や舌の当たり具合が変わって活舌に影響は及ぼしやすくなります。

まとめ


矯正治療はどうしても歯を動かすための「装置」が必要になるため、開始当初は個人差はありますが違和感や話しづらさ、活舌の悪さなどを感じることもあるでしょう。
しかしお口の順応性の良さも手伝って、いずれは慣れて会話や食事を違和感なく行うことができるようになります。
多少なりと矯正装置によって活舌への影響が出やすい装置もありますので、ご自身のライフスタイルに併せて選択するのもよいでしょう。歯並びによっては適応できない装置もありますので、まずは矯正歯科医師にご相談ください。矯正治療と上手く付き合いながら、理想の歯並びを手に入れましょう!

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